最初の「オンリーユーソング」ひかる一平『 青空オンリー・ユー 』（81年、作詞：松本隆）と、「オンリーユーソング」の決定版 少年隊『君だけに』（87年、作詞：康珍化）を紹介しました。しかし、81年から87年の期間に、他にも「オンリーユーソング」はいくつか存在しています。その中でも シブがき隊の名曲を取り上げてみましょう。ちょっと「オンリーユー」が変な方向に暴走してるんですけどねw きょうの「ジャニコノ」は シブがき隊『 ZOKKON 命（LOVE) 』から「最上級の惚れ方さ ZOKKON！」です。
アイドル歌謡は、カワイイ女の子が可愛いらしい歌をうたうだったり、かっこいい男がかっこいい歌をうたうものですよね。しかし、ジャニーズは常にそこからはみ出る作品を作り上げてきました。「かっこいい男がかっこいい歌をうたう」そんな凡庸さを嫌ってきたのです。過剰な衣装、マジック、ゴムバンド、ローラースケート、バトントワリングなどなど、いろんな仕掛けがありました。シブがき隊では、大袈裟な歌詞がかなり魅力的でした。必要以上に頭の悪さを披露したような歌詞は、強烈な印象を残したのでした（褒めてます）。下の歌詞を読んで、いまのモックンが歌っているところを想像できるでしょうか？ かなり無理がありますよね。しかし、そのことがモックンの存在感に奥行きを与えているのです。シブがき隊の３人がいまでもテレビで活躍しているのには、ジャニーズ時代の楽曲の素晴らしさが貢献していると思います。
♪ 遊び上手と噂された（ Baby 俺さ） 何を言っても疑うなら（ Baby 見てな）
波に揺れてる月をやるぜと ジーンズのまま海に飛び込む
おまえが命 危険を覚悟で 愛した命 燃えるゼ
感動じゃん！ 激しく抱きたい オッとっと 肩が折れちまう スレスレのせつなささ
最高じゃん！ 地球で一番 オッとっと イカしたおまえを 離せない 離さない
最上級の惚れ方さ ZOKKON！
『 ZOKKON 命（LOVE) 』は、作詞：森雪之丞、作曲：水谷竜緒です。ナイトレンジャーの曲のパクリだとか、下らないことを言ってるヤツがいる一方、現在でも一部で熱狂的に人気のある曲です。数年前、日本の HIP HOP グループ TERIYAKI BOYZ が、世界的に有名なプロデュースチーム、ザ・ネプチューンズの制作で『 ZOCK ON! feat. PHARRELL and BUSTA RHYMES 』というシングルをリリースしています。
シブがき隊の他のシングルには『 処女的衝撃!（ヴァージンショック）』『 Hey! Bep-pin 』『 挑発∞（MUGENDAI）』『サムライ・ニッポン』『 アッパレ! フジヤマ 』『 男意ッ気（イッキ）』『 スシ食いねェ! 』などなど、タイトルだけでも笑わせてくれる曲が並んでいます。後年、秋元康 や とんねるず が似たような路線で CD を出していますが、その破壊力で足元にも及ばないということは言っておきたいです。
それはそうと、関ジャニ∞ のファンの人たちに質問です。関ジャニの「∞」は、KinKi Kids『シンデレラ・クリスマス』の歌詞にでてくる指文字の「∞」から来たのか、シブがき隊の『 挑発∞（MUGENDAI）』というタイトルから来たのか、どっちだと思いますか？ 私は シブがき隊だと思うんだけどなー。
