11月に Oさんから別冊宝島『 J ポップ批評59 SMAP』『 J ポップ批評62 ジャニーズ超世代! 「嵐」を呼ぶ男たち』の2冊をプレゼントしていただきました。ありがとうございます! もちろん、送っていただいてすぐに読んだんですけど、ここまで感想やなんかを書いていませんでした。いろいろ参考になる文章もありましたが、まずは引っかかった文章から。速水健朗さん( TBS ラジオ『 Life 』に出てる人かな?)の SMAP『がんばりましょう』レビューの抜粋です。
音楽誌が書かないJポップ批評59 SMAP「20+1抱腹絶頂ヒストリー」 (別冊宝島 1623 カルチャー&スポーツ)
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2009/04/18
- メディア: 大型本
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『SMAP も初期シングル「心の鏡」「 負けるなBaby!〜Never give up 」などの頃は〈悩むな 頑張れ君〉(後者)、〈夢をあきらめることは一番悲しい嘘よ〉(前者)などと自己啓発的、宿命論的なガンバリズムが繰り出されるベタな応援ソング路線を取っていたが、本作はその「お前は何様だ」的なものから脱却した一曲である。』
これは明らかに誤読ですね。そりゃ、ZARD『負けないで』とか 大事MANブラザーズ『それが大事』だったら当てはまる文章なんだろうけど、SMAP はそんなこと全然歌ってないですからね。「お前こそ何様だ?」って話ですよ。多くの J-POP が不特定多数に向けて歌われているのと違い、ジャニーズの場合はファン(ファミリー)に向けて歌われているんです。「僕ら」と「君」の関係について歌っているんです。デビュー当時なら尚更です。SMAP は売れていなかったんですよ。だから、友だちに「 SMAP ダサい」と言われても「頑張れ君 負けるな」です。「いつか SMAP も人気が出るはず」それが夢です。つまり「夢をあきらめることは一番悲しい嘘よ」です。
例えば、男闘呼組のデビュー曲『 DAYBREAK 』に「そうさ…Glowing Love あきらめなかった 二人の強さを誇りにしよう 今日から」という歌詞があります。これはデビューに時間がかかった彼らとファンのために書かれた歌詞です(作詞:大津あきら)。ジャニーズの楽曲では、私のこの解釈はあたり前すぎるくらい当然のものです。
じゃあ、SMAP『がんばりましょう』はどうなんだ?と言われるかも知れません。そうですね。この曲については完全に「僕ら」と「君」の関係性を越えて存在しています。SMAP の存在が大きくなるのに合わせて楽曲も大きくなったのでしょう。またいずれ書きます。