ハノイの日本人

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ジャニコノ33. KinKi Kids『 Kissからはじまるミステリー 』

予告通り、KinKi Kids松本隆作品9曲を取り上げて行きます。1曲目最初にして最高の名曲『 Kissからはじまるミステリー 』です。この曲は人気マンガを原作にしたドラマ『金田一少年の事件簿』第2シリーズのエンディング曲として1996年からテレビで流れていました。ですが、ドラマ放映当時はCD化されていません。1997年のシングル、アルバム同時発売デビューの時に『A ALBUM』に収録されました。デビュー前から人気のあった彼らですから、音源化されていないにも関わらず作詞に松本隆、作曲&編曲の担当も含めてプロデュースで山下達郎が起用されています。さすがのクオリティーです。



先日の文章で キンキに捧げられた松本隆作品では、海が舞台になった曲が多いと書きました。9曲中6曲です。『 Kissから… 』は「君の向こうに海が青く透き通るよ不思議」という歌詞からはじまります。そして、最新シングル『スワンソング』の歌詞には「君の優しい白い手 海の青にも染まらず」とあります。海と一体化した前者と、海に染まらなかった後者です。つまり、この2つの曲は「対」になっているのです。そして、前者が「はじまり」であったのであれば後者は「終わり」ということになるでしょう。少なくとも松本隆さんが『スワンソング』をキンキに送る最後の歌詞と考えて書いたという情報は事実のようです。


「海」について、以前『シェットコースターロマンス』について書いたとき、以下のように書きました。「波はジェットコースター」の「波」は芸能界を表していると。波はもちろん海のことですから、『スワンソング』の歌詞「海の青にも染まらず」は「芸能界に染まらなかったキンキ(というか剛?)」と考えることも可能でしょうか… そして、続けて「僕と生きた数年が君を綺麗に変えたね」とあります。アーチスト松本隆としては、芸能界に染まらなかった「君」を「綺麗」だと言っているようです。


◉ジャニコノ1. KinKi Kids『ジェットコースターロマンス』
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20090823/1251059383


Kissからはじまるミステリー 』は私がキンキの曲の中で一番好きな曲です。若さ故の余裕のなさと過剰さ。それがドラマのテーマであるミステリーとあわせて表現されているんです。広く青い海の描写から始まって、君にKiss をされた瞬間から「ぼく」は余裕を失ってしまう。Kiss 以降の歌詞は過剰な表現が次々に登場します。「ぼくは夢遊病」「さまよう難破船」「誰かぼくの胸のナイフを静かに抜いてくれ」「君の背中を密かに尾行した」。特に「君の背中を密かに尾行した」なんていいですよね。ストーカーですもんね。そして、続けて「時間は若さの味方だよ」ですからw  


たしかに、若い時は暇を持て余していて、ストーカーめいたことをするもんですw 私も昔、好きな女の子の家の前まで行ったことがあります。割と近所だったんです。前に同窓会があって、そのときその子が話したそうにしていたんですけど、私は声をかけることができませんでした! だって、その子を見た途端に中学生の頃の感情がぶり返したんですよ(ああ!)。彼女はあの頃と変わらず透明感のある表情をしていて、とても素敵でした。5月にまた同窓会があるようですけど帰りません。だって、彼女はもう結婚していますから。そのときの同窓会名簿に旧姓と書いてありました。いかん、話を戻さないと… 最後に『 Kissからはじまるミステリー 』の思い出を少し。


2000年頃、私はライターをしていましたが、とても貧乏な生活をしていました。週に2回くらい図書館とブックオフに行って、お金をかけずに大量の本を読んでいました。その頃、友だちのライターさんのメルマガでジャニーズについての文章で連載をしていました。と言っても、貧乏で新譜は買えませんから、ブックオフで古い安売りビデオをたくさん買っていたのです。光GENJISMAP が主なものでした。そこでキンキのローソン限定のビデオを見つけました。97年2月の横浜アリーナのライブらしいです。その1曲目が『 Kissからはじまるミステリー 』だったんですけど、もうヤラれました。「君が欲しい」のところでクルっと1回転するじゃないですか? その度にロングコート(?)の裾がフワッと広がるんです。これが凄い。本当に魔法を使ったような瞬間でしたよ。まるで古いディズニー映画みたい。今でもどこかで安売りしているでしょうから、見つけたら買って見てください。ああ、また見たい!