ハノイの日本人

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ジャニコノ35. KinKi Kids『 ボクの背中には羽根がある 』

KinKi Kids松本隆 作品を振り返っています。全9曲中6曲をこれまでに取り上げてきました。今回は『 ボクの背中には羽根がある 』です。名曲ですね。自由の象徴としての「翼」をテーマにした「翼ソング」です。「翼ソング」もたくさんあるので、そのうち まとめて取り上げます。



ボクの背中には羽根がある 』は作詞が 松本隆、作曲が 織田哲郎です。堂本剛 主演ドラマの主題歌ですよね。この曲を聴いたときに、いろいろ思うことがあったんですよね。ちょっと「翼」年表を作ってみました。どれが一番この曲と関係してると思いますか? みなさんも考えてみてください。


1993年6月 名曲『マジックカーペットライド』( PIZZICATO FIVE )を収録したアルバム『ボサ・ノヴァ2001』発売
1995年?月 今井翼、ジャニーズに入る
1994年4月 シングル『空も飛べるはず』(スピッツ)発売
1996年1月 ドラマ『白線流し』放映で『空も飛べるはず』大ヒット
1997年10月 シングル『 White Love 』( SPEED )発売
1997年10月 フランス W 杯 最終予選で『翼をください』応援に使われる
1998年10月 シングル『 ALL MY TRUE LOVE 』( SPEED )大ヒット
1999年2月 シングル『やめないで, PURE 』( KinKi Kids )発売
1999年6月 シングル『 fly 』( SMAP )発売
1999年10月 SPEED 解散を発表!(2000年3月解散)
2001年2月 シングル『 ボクの背中には羽根がある 』( KinKi Kids )発売


まず、長瀬智也出世作白線流し』に目が行きますよね? でも、これより重要な曲があるんです。SPEED の代表作『 ALL MY TRUE LOVE 』です。その曲のなかにこんな歌詞があったのを覚えておられるでしょうか?



  ♪ 翼なんてないって気づいてから きっと強くなれた気がする
    大地を蹴って 走り出そう!


ALL MY TRUE LOVE 』のこの歌詞に「カチン!」と来た人がいたようです。ジャニーさんなのか、直木賞作家の伊集院静さんなのかはわからないんですけど。とにかく、この曲が大ヒットしてすぐに『やめないで, PURE 』の制作に入ったことが発売日から推測できます。いや、これはドラマの主題歌ですから、制作中に『 ALL MY TRUE LOVE 』が飛び込んで来たとも言えるか…。まあ、次の歌詞を見てください。キンキの6枚目のシングル『やめないで, PURE 』です。



  ♪ 天使をやめないで 苦しめないで 羽を捨てないで
    時間を止めないで 迷い込んだら 2度と君を抱きしめられない


この2曲の歌詞を見比べてください。「翼なんてない」と言われて「あるに決まってるだろ!」と腹を立てたのでしょうか? いえ、たぶん違うでしょう。この当時 SPEED の所属事務所とジャニーズは火花を散らしていたんですよね。SMAP の5人が出演して話題になった『古畑任三郎 VS SMAP 』が放映されたのが1999年の1月3日でした。ドラマに SMAP として出演し、しかも5人が犯人という衝撃の内容でした。このとき、SMAP が殺害した人物の名前をおぼえていますか? おぼえていませんよね。じゃあ、正解を言う前に下の動画で作詞、作曲のクレジットを見ておいてくださいね。



m.c.A・T富樫明生 とありましたよね。この2人は同一人物なんですけど、、、SMAP が殺害した人物の名前が「富樫明男」だったんです。漢字を少し変えてありますが驚きました。絞殺です。震えました。三谷幸喜のギャグだったと思いたいw 富樫明生とはそんなに悪いヤツなんでしょうか? 彼はいったいなにをしたのでしょうか? これです!



悪いヤツですね! DA PUMP のプロデューサーですよw SPEED の人気に便乗して DAPUMP はデビューしたんです。これで SPEED → 富樫明生m.c.A・T)→ DA PUMP →『やめないで, PURE 』と繋がったわけです。まあ、そういう訳で『やめないで, PURE 』は私にとって特別な曲です。大好きです。作詞は 伊達歩伊集院静)、作曲は 筒美京平、編曲は WACKY KAKI です。強烈な作品でした。ですが、みんな不穏な雰囲気を察したんでしょう。当時大人気だったキンキとしては、セールスがいまひとつの作品となっています。そのことがちょうど2年後に発売された『 ボクの背中には羽根がある 』にも影響しているのではないか? 私はそのように考えました。キンキ自身が天使になる、まともな「翼ソング」を作成する必要があったと思うんです。今度こそセールス失敗は許されません。そして、ヒットメーカー2人が起用されたわけです。


ちなみに DA PUMP は『 if… 』がロングセラーを記録し、イメチェンに成功した後でもあります。また目障りになってきて、怒りがぶり返したのかも知れませんw まあ、本筋はドラマの主題歌ですから、その内容から連想して作詞したのも もちろんでしょうけど。当然ですが『 ボクの背中には羽根がある 』は大ヒットしています。


  ♪ ずっと君と生きて行くんだね ボクの背中には羽根がある
    どんな夢もかなう気がする 君を抱いて空も飛べる
    嘘じゃないよ 今 “幸せ” に触ったみたい


松本隆さんとしては、『空も飛べるはず』のスピッツや、『マジックカーペットライド』のピチカートファイヴという、自分に影響を受けた若い才能たちの作品に触発される部分はあったと思います。同じテーマで競ってみたかったのかも知れません。『 ボクの背中には羽根がある 』は、「君と出会えた奇跡」と歌われる『空も飛べるはず』よりも、「魔法みたい 目が醒めると きみがいる 花のような香り」と歌った『マジックカーペットライド』に近いかな? スピッツ草野正宗さんとは Chappie 『水中メガネ』で共演されていますね。これも素晴らしい曲ですよ。