ハノイの日本人

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ジャニコノ42. KAT-TUN『 REAL FACE 』

キスマイ のデビューを前に KAT-TUN のデビューについて語っておきたいと思います。まず、ジャニーズには「ナチュラル路線」と「ファンタジー路線」という2つの軸があります。「ファンタジー路線」の完成形だった 光GENJI が 1990年に入り失速、それと同時にジャニーズ自体も失速しました。そこで、木村拓哉 を中心に「ナチュラル」という言葉を KEY にして新しいアイドル像を作り上げたのです。それが「ナチュラル路線」です。これは等身大の若者がそのままアイドルになっているというコンセプトです。わかりやすくどんなものであるかを言うと、普通の十代が語っているようなセックスにまつわる話もオープンにするというようなことです。衣装も古着などを取り入れて行きます。


その「ナチュラル路線」の成功により、後につづくグループも「ナチュラル路線」を意識したものになりました。例えば、滝沢秀明 を筆頭とする ジャニーズ Jr. 黄金世代 のビデオタイトルは『素顔』でしたが、これも「ナチュラル」からきているはずです。嵐 の最初のビデオ『スッピンアラシ』もそうです。嵐 の 大野くんが 牛若丸 を演じた『 KYO TO KYO 』のように、デビュー前には「ファンタジー路線」を演じていても 実際にデビューする際には「ナチュラル路線」に変更しました。しかし密かに「ナチュラル から ファンタジー へ」を狙っていた人物がいました。


もちろん、ジャニーさんです。本来なら KAT-TUN光GENJI の失速以降、はじめてデビューする「ファンタジー路線」のグループだったのです。彼らの人気をもってすれば「ファンタジー路線」の復活は可能でした。ところが、KAT-TUN のデビューに際し、ジャニーさんの意見はあまり取り入れられなかったようです。『少年倶楽部プレミアム』でのメンバーの発言によると、ジャニーさんがデビュー曲のタイトルとして提出した『 OPEN SESAME 』(開けゴマ!)は採用されず『 REAL FACE 』(素顔)が採用されたそうです。またしても「ナチュラル路線」です。しかし「ナチュラル路線」は意識して選択されたわけではなかったようで、KAT-TUN の迷走はここから始まりました。完全なディレクションの失敗です。


どうやらジャニーさんはストレスを貯めていたようで、KAT-TUN から離れ「ファンタジー路線」のグループに力を入れて行くことになります。それが Kis-My-Ft2です。嵐 のリーダー大野くんは『怪物くん』を演じ、ミスター・ナチュラ木村拓哉 も『竹取物語』をベースにした『月の恋人』に出演しました。時代は再び「ファンタジー」に傾いているのです。キスマイ がこのまま「ファンタジー路線」でデビューすることを祈ります。『 OPEN SESAME 』(開けゴマ!)ありだと思います!