スポーツナビ に掲載されている 元川悦子さんの文章のつづきです。選手の声を集めて、好成績をあげた南アフリカ大会の検証をされています。やはり初戦で勝ったことが本当に大きかったようです。言葉では「初戦が大事」と言っていても、経験はなかったわけです。今大会で実感することができました。
◉岡田ジャパンを結束させた3つの要素(元川悦子)
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/2010/text/201008220004-spnavi.html
『前半39分、右サイドに開いた松井大輔の左足から繰り出された精度の高いクロスに大久保嘉人が飛び込んでマークを引きつけた。ファーサイドの本田圭佑がフリーになり左足を振り抜く。このパターンは岡田監督が2年半、トレーニングで毎回のように取り組んできたものだった。敵をつけない練習でも2〜3割しか決まらない得点が大一番で決まるのだから、サッカーとは不思議なものだ。先制点の後、本田圭佑はべンチに駆け寄り、仲間たちと歓喜の抱擁を交わした。中村憲剛に「点を取ったら来いよ」と声をかけられたことを思い出し、約束を果たしたのだ。中村憲は語気を強める。「2006年の時、チームが分裂してしまったって話はいろんな人から聞いていました。僕はそういうのが絶対に嫌だった。4年に1回しかないし、何度も出られるわけじゃないワールドカップ(W杯)という大きな大会にせっかくみんなで来てるんだから、悔いだけは残したくなかった。自分が出られない悔しさはもちろんありましたけど、日本がグループリーグで敗退した方がよっぽど悔しいでしょう。とにかく、みんなでまとまって勝ちたかったんですよね」』
『「南アでまとまれたのは、やっぱり初戦で勝ったからじゃないかな。結束したから勝ったのか、勝ったから結束したのかはよく分からないけど……。本大会前の試合が悪かったという厳しい意見を何とか黙らせたいという思いは、みんな強かったと思うけどね」と楢崎正剛は勝利の意味を静かに分析した。2度目のW杯だった玉田圭司も「結果がついてきたことは何よりも大きい。もし負けていたら『なんでいきなり戦い方を変えたんだ』とボロクソに言われていたと思う。日本は南アが4回目のW杯だったけど、強豪国みたいに内容うんぬんで判断できないところがある。勝利経験が少ない分、勝つことが一番大事だった。カメルーン戦の勝利はものすごく大きかったよね」としみじみ語った』