ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

日本のアイドルが大好きです。5

そろそろジャニーズのことを また書こうと思っています。なので、これで一区切り。先日、tuneさんのコメントで教えてもらった音楽業界人インタビューの感想を。財界総理と呼ばれた石坂泰三の親戚と、ガンの治療薬丸山ワクチンの息子という2人のインタビューですw 特に、後の方の 丸山さんのインタビューは必読ですよ。現在は SMエンタテイメントの顧問でもあるそうです。そして「音楽という季節は終わった」と発言されています。よく物を売りつけてくる人が言う「**は終わった!これからは××だ!」的発言ではないですよ。全部を引用するわけにもいかないので、リンク先でどうぞ。



◉地デジでアイドルグループが主流に K-POPの進出に日本はどう応える?(2011年7月22日、石坂敬一
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20110715/1036859/
『 BIGBANG なんて最高だよね。音がプログレッシブロック。ああいう音楽がアジアから生まれるとは思わなかった。歌謡曲を超えてプログレ。そしてよく見れば、いい男ばかり(笑)。ああいうカウンターカルチャー的な音楽は日本からは出てこないね。日本には、音楽のアンダーグラウンド市場が独自に確立されていますから。あと、韓国が持っている、新人発掘体制がすごいよね。「身長180cmぐらいのいい男、4人組、5人組で、才能があるのを集めろ」というと、1週間で集まる。それが不思議。これを、ハングリー精神に乏しい日本でやってもなかなか集まらない』
 

ユニバーサル ミュージックのトップ石坂敬一さんは冒頭から『私の持論は、「流行をつくるな、流行に乗れ」です』と言われています。これって、ユニバーサルのイメージそのものですよw K-POP の上の動画のような音をプログレと解釈するのは、なるほど日本の音楽業界の人って感じがします。日本では音楽のクオリティを上げて来たのはプログレの人だったからでしょうね。佐久間正英さんや 岡野ハジメさんなど、プログレ出身のプロデューサーは存在感がありますもんね。さらに、音楽ビジネスについては…


『今後、日本のアーティストも海外に出て、ライセンシングを国外に広げることが重要になってくるでしょう。日本だけでミリオンを売ろうとすると大変だけど、米国は最低30カ国で出すわけ。そうすると、たいしてヒットしないのにトータルで50万枚とか、100万枚行っちゃう。30万枚を米国で売って、あと1カ国1万枚、例え5000枚でも、30カ国で売ったら15万枚で計45万枚。そういう商売を日本もやるべきだと思う』


AKB48、アニソン、K-POP…に見る 音楽産業の時代から、“音産業”の時代へ(2011年4月27日、丸山茂雄
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20110419/1035257/?rt=nocnt
『結論としては、日本以外のアジアでは、もはや音楽が著作権フリーなのが当たり前ってことです。日本から見ればルール違反ですよ。でも、中国や韓国にはもともと著作権ビジネスが無かったわけです。レコードビジネスがないんですから、韓国企業も、CDを売ってビジネスをしようとは考えない。だから、「ウチの曲はプロモーションでお使いください」とばかり、新譜の段階でPVを無料でネットで流してしまう。つまり、アジアでレコード会社が真面目に著作権ビジネスをやってるのは、日本だけってことです。(中略)もう一つ、著作権管理の限界以外に、分かったことがある。「音楽だけの時代は過ぎ去った」ということです。ここ数年、アニメのイベントがとても盛り上がっていますよね? アニソンの歌手がステージで歌うのをファンは楽しむわけですが、アニメ業界ではこれを「コンサート」とは呼ばない。「イベント」だそうです。見に行ったら、朝早くからグッズを買うためにファンが行列を作っている。関係者に聞くと、イベントの主目的はコンサートではなくて、物販だとのこと。その辺りを、きちんと割り切っているんですね』
 

リード文に「音楽著作権の保護に一番熱心だったのが、丸山社長時代のソニー・ミュージックだった。著作権保護に厳しいATRAC方式にこだわるあまりソニーウォークマンは、アップルのiPodに遅れをとった歴史もある」と書かれていました。その失敗があったからか、ここで語られていることはとても現実的です。私はアイドル音源を聴いた感想をここに書いていますが、実際のビジネスではそれ以外の要素の方が大きいわけです。もちろん、それはわかっているのですが、これからも音楽中心に書くつもりです。続いて、レコード会社の今後について話されています。


『彼らにはコンピュータという武器があります。今、アジアでは楽器を使わずに曲を作っているわけです。ある意味、K-POP は、僕たちがバンドを組み、みんなで一から作詞作曲してきた音楽とは違うジャンルのもの。基本的には、映像が9割で、それを生かすために斬新な音が1割ついているという新しいエンタテインメントです。K-POP は詞なんて二の次でしょう(笑)? でもそれが日本の若い子にも受けている。センスは抜群だものね。(中略)でもレコード会社は“音楽”をやろうとしている。僕も音楽は大好きだけど、“音楽という季節”は終わったと思います。音楽を否定はしません。ただ、それだけだと、レコード会社は1000人規模で社員を雇っていたら続かない』


K-POP について「映像が9割で、それを生かすために斬新な音が1割ついているという新しいエンタテインメント」と発言されています。そうですね。ルックス、ダンス、カメラワークも含めてトータルで考えられていますよね。映像でも J-POP は負けている。特にテレビの音楽番組などは。音楽業界のトップにいるような人が、K-POP に対して正確に掴んでいるようなので安心しました。危機感は共有されているのでしょう。


J-POP が海外展開して行く必要があるなら、やはりダンスミュージックは避けて通れません。国境を越えるには、歌詞の意味よりも、リズム中心の音楽の方が有効だからです。もちろん、海外にも日本語学習者はいて、その人たちがこれまでは J-POP を聴いてくれていたわけですが。まあ、日本語がわからない人の方が当然多いですもんね?