ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

ジャニ友、natalia さん編。第2部

natalia さんのインタビュー第2部です。まだ未見の方は下のリンクから第1部をご覧ください。


◉ジャニ友、natalia さん編。第1部
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20120108/1325763892



——では『2011年のジャニーズ重大ニュース!』です。よろしくお願いします。
natalia: ええと、1位以外は順位はつけられませんので、同じ順位ということでお願いします。あと、4つになっちゃいました(笑)。他にもあったら教えてください。いっぱい忘れてそう(笑)。


1位:ジャニーさん、CDを売る事にくたびれる
1位:Sexy Zone の不振
3位:NEWS 4人になる
3位:キスマイ格差デビュー


——ほほお(笑)。かなり厳しめですね!
natalia:そ、そうですかね(笑)。まず、1位の二つに関してですが、これは衝撃でしたねえ。あれほど順位や記録が大好きな人が CD を売ることにくたびれた、という発言をオフィシャルにしちゃったんですから。


——いやいや! あれはジャニーさんの皮肉まじりのジョークでしょう。natalia さんの発言も皮肉かもしれませんが(笑)。
natalia:え?皮肉ですか? ワタシ結構本気で受け止めてました。もちろん本能のままに生きているジャニーさんですから、もうこの発言自体すっかりお忘れになってらっしゃるかもしれませんが(笑)。


——皮肉というのは、数字でしか語れないメディアに対してです。
natalia:なるほどー。でもジャニーさんも1位大好きだったり、数字好きなので、メディアのことを一概に言えないんじゃ、とは思います。まあ、皮肉かどうか分からないんですけど、やっぱり、ある程度実感ではあるんじゃないのかなー、と。ネットだのなんだのと世知辛い世の中になっちまった、と思ってそうな感じが(笑)。ジャニーさんもお元気とはいえ 80歳でしょう。実はウチの祖母と同じ年なんですよ。年齢で画一的に判断するということが愚かしいことだとは分かっていますが、全く影響がないというと嘘になると思うんです。あと、疲れたのは売るための競争に疲れたということもですが、それにプラスして、ここ数年のガジェットの進歩による音楽への価値観の変化や構造的転換というものに疲れてしまったのかな、というイメージがありますね。
で、直接的要因としては、Sexy Zone の握手会騒ぎが原因になっているのは間違いないと思うのですが、Sexy Zone って、びっくりするほどジャニーズファンと世間との受け止め方が違うなあ、と感じていて。これ Hey! Say! JUMP の時はまだそこまで感じなかったんですよ。


——Hey! Say! JUMP のデビューが 2007年。それ以降に何があったかですね。
natalia:音楽業界全体が世間に対して影響力を失ってる、というのは大前提であると思うんですが・・・。
今回、デビューするグループ名を聞いたとき、まずワタシが真っ先に思い浮かんだのが「こりゃー世間話のなかで絶対ネタ的に扱われるなあ」ということでした。ですが、ふたを開けてみると、今まで一回も Sexy Zone のことがワタシの生活圏で話に出たことはありません。むしろジャニーズから新しいグループがデビューしたことも知らない人が多そうです。今までだったら、たいていネタとして「あのグループ名変じゃね?」とか「でも○○くんって可愛いよね」とか出てたのに。今回はまだ一度もありません。


——まったく、その通り! SMAP のデビューの頃に戻ったような感じ。キスマイのデビューと連続してたこともあるでしょうけど、中島健人はもっと注目されているかと思っていました…
natalia:多分、中島健人くん自体がまだ一般人にほとんど知られてなさそうなイメージがあります。それは決して彼の責任じゃなく、単純に露出が少ない、というか。まあ、ワタシは社会人としか会話してませんので、中高生への認知度は分からないんですが。
あと、今はバラエティ―番組で顔を認知してもらう、というパターンが一番露出度が高くなる手段なんでしょうけど、上二人が若手枠には年齢が若すぎて、下3人は子ども枠には大きすぎるし、という感じなんでしょうか・・・。あと、新人バーター枠がキスマイに埋められてるイメージもあります。
多分、昔だったら、jr時代に一番勢いのあるデビュー組のグループのバックについて、お茶の間に存在を認知させていく売り方っていうのがあったと思うんですが、最近『Mステ』とか見てても、バックに Jr. が出てくることって、昔より減りましたよね。JUMP はバックつけてるのかな? でも、昔のように “光GENJI のバックには SMAP” とか、そういうグループ単位のバックって減りましたよね。ワタシが子どもの時、全然ジャニーズ好きじゃなかったですけども、それでも「あ、光GENJI の後ろについてる SMAPっていうグループが今度のデビュー候補なんだぁ〜」みたいなことは、ちょっとテレビ見てれば分かったんですよ。だから、デビューの時も「へぇ、ついにかあ〜」みたいな高揚感があったのは覚えてます。だから、キスマイ が Sexy Zone に売り上げが勝ってる理由も、「自分が育てた感」ていうのは大きいんじゃないでしょうかねぇ・・・。キスマイ嫌いじゃないですけど、顔面偏差値でいったら、Sexy Zone からすれば問題にならないレベルなのに、売り上げで勝ってるのはその理由だと思います。あと、ファンの可処分所得が高いところ(笑)。



——私はまだ Sexy Zone について結論を下さすのは早いと思っているんです。なぜ急ごしらえでグループを用意したのか? なにか理由がありそうだと踏んでいるので。まあ、デビュー時点での売上枚数はそれほど期待してなかったとは思うんですけど、AKB 関連との1位争いで思わぬ展開になったのは誤算だったかな。
natalia:枚数は気にしていなかったけど、1位はとりたかったんじゃないですかね。
ですが、その一方で、Sexy Zone を認知しているジャニーズファン全般は、グループ関係なく彼らに対してすごい喰いついているというか(笑)。握手会も、数時間並んだ、とか目にしましたし、すごい人だったらしいですから。
ジャニーズファンは、ツイッターなどを見ていると、本命に他のグループを応援してたとしても、基本彼らを好意的に見て、期待値もすごく高いように見えます。なので、その温度差の激しさにびっくりしている、というか。個人的には彼らはもっと人気出てもいいのになあ、と思ってます。顔面偏差値といい、グループの雰囲気といい、曲といい、久しぶりのジャニーズ王道超大型新人、というイメージがありますので。でも、世間的な話題にはならない。ここに、今のジャニーズが直面している問題が端的に表れている気がしました。


——うん。ジャニーズが直面している問題という指摘には、まったく同意見。でも、私には違和感もあるんです。いつもだったら「なんで、こいつ入ってんの?」ってメンバーが必ずいるはずなのに、今回はいないでしょ。なので「本当にずっと続くグループなのか?」とか。
natalia:なるほど。「なんでこいつ入ってんの枠」ありますね、確かに(笑)。だけど、「Sexy Zone」は、ワタシにとってみれば、下3人のデビューの仕方が「なんでこいつ枠」というか。顔面偏差値は高いし、そういう意味では全然「なんでこいつ枠」じゃないんですけど(笑)、サプライズ的な意味で、ですね。昔だったら3人も入れたかなー、とか。NEWS の時は手越くん一人だったし、JUMP の時は岡本くん一人だったと思うんですけど、今回なぜいきなり新人3人?、と思っていました。これがマリウスくん一人、とかだったら、逆にものすごくインパクトがあったと思うんですが。


——続くグループだとしたら、彼らはトップグループ候補なんですよ。嵐、JUMP の次です。だから、平均年齢を若くしないといけない。それはいいとして「なぜ今年バタバタとデビューさせたのか?」ですね。
natalia:急ごしらえでグループを用意したかは、バレーユニっていつもそんなイメージがあるのであんまり驚きはないですけど・・・。むしろキスマイのデビューとバッティングさせた意味が良くわかりません。まあ、ワタシがどういういえるほど Sexy Zone に関してはよく知らないですし、理由も分からないんですけど・・・。平均年齢を若くしたのは、JUMPとの兼ね合いもあるのかもしれませんね。ファンの棲み分けが少しでも出来るように、という。
あと、「本当にずっと続くグループなのか?」という点について、ワタシには全くわかりません。まあ、今回の売り上げを踏まえて、また事務所側のアクションがあるのかもしれません。ただ、個人的には中島くんと菊池くんは久しぶりにシンメらしいシンメだと思うので、二人を別れさせないでほしいな、と思います。シンメはジャニーズの財産であり、伝統芸能だとワタシは思っているので(笑)。


——このカップリングは本当に凄いですよ。さすがジャニーさん。2人を割ることはないでしょう。で歌詞を見る限り、やはり本当に続くグループと認めるしかないみたいです。飯島さん側のトップグループ候補なんだと思います。
natalia:でも、直前に菊池くんだけ別の舞台に立ってたりしましたよね。案外分裂もありえたのかな、と。結果的にしなくて大正解だったと思いますが。
あと、ワタシがワントップ売りが好きじゃないというのもありますね。ワントップとかソロとかジャニーズでやられても、全然魅力ない、というか。たぶん、ジャニーズ好きな人たちの多くはメンバー同士の関係性に魅力を感じてる人が多いと思うので、シンメの分割は絶対止めてほしいです。山下くんも生田くんと分離したことがそもそも迷走の始まりだった気がします。
個人的には、現在 Sexy Zone が佐藤くんがセンターというのもあんまりピンときません。中島くんと菊池くんがシンメで2トップの方が喜ぶファンは多いと思うのですが・・・。佐藤くんが逸材だとしても、です。
あと、Sexy Zone は飯島さん管轄なんですか? 知りませんでした。飯島さんのところ、急に大所帯になりましたね(笑)。


——『サイゾーウーマン』に書いてありましたから(キリッ。だから「分社化とかあるのかな?」と。
natalia:でも、分社化したら、それこそジャニーズ全体が衰退しそうですね。


——まあ「独立させないために」ってことでしょうかね。
natalia:そういうある種前向き(笑)な理由ならいいんですが、対立した結果の分社化だとしたら、それこそ衰退一直線だと思いますね。
組織が大きくなると分裂するのはよくあることだと思うんですが、もしワタシがライバル会社だったら、ジャニーズが分社化してつぶしあってくれるのが一番美味しいな、と思うと思います。内ゲバほど不毛な戦いは無いですし、たぶん、どうやってもどっちも衰退しますよね。それこそジュリーK 側などは 嵐 が弱ってきたら一発でつぶされそう。もちろんジャニーズというブランドは欲しいので、どこかの事務所がジャニーズという「のれん」を買い取って経営陣総入れ替えとか。なぜそう思うかと言えば、ジュリーK は自分の気に入ったタレントに固執しそうだから、ですかね。ジュリーK は自分の気が合う合わないを基準に仕事しそうなイメージがあるからです。あと、外部の人間に対する尊重が無さそう、とか。それでいてジャニーさんよりカリスマ性ないでしょう。
飯島さんが良い、というわけでもないんですが、飯島さんには SMAP の“現場プロデューサー”中居正広という切り札がある、とワタシは思っているので、その差ですかね。中居くんの、後輩の良さを見抜く力すごいですよ。
人は本物を見ると偽物が見分けられるようになるらしいですが、中居くんは木村拓哉という人間をすぐ横で見続けたことにより、スターとは何か、を肌で知っていると思うんですね。あと、どん底から這い上がるために必要なものは何か体感したという現場感覚もあるし、後輩からも慕われていますしね。今年の『 CDTV 』の赤西くんなんて、中居くんにすっかり懐いていましたよ。あんな顔見たのタッキーと喋っている時以来かも。歌の時は緊張してたんですが、トークの時は久しぶりに地上波で赤西くんのおちゃめな部分が出てよかったなあ、と思いました。赤西くんって実はおちゃめな人なんですよ。世間はあまり知らないと思いますが(笑)。そういう面が出るのも、中居くんの人徳なんだろうな、と。
ですので、ジャニーさんの後継者になれるのは中居くんしかいないと思ってます。ジュリーK もマッチもヒガシも問題外ですね。この人たちが経営陣の主力になったら、絶対繁栄は続かないと思います。


——まあ、でも普通に考えたらジャニーさん一代の会社ですよ。いろいろ言う人はいるでしょうが、ジャニーさんのセンスで作ってきた会社なんだし。だって、ジャニーさんが引退するということは、合宿所がなくなるということですよ!! このブラックボックスなしに、ジャニーズが存続するわけがないんですよ。まったく別の会社でしょう。
私としては少しでも崩壊を食い止めるために、襲名制の採用を考えてみたんです。次の社長は二代目ジャニー喜多川。誰がやってもいいから、そうやって縛りを与え、常にジャニーさんの思考で考えさせる。ジャニーさんのマネをさせる。そして、変なことやったら「そんなのは初代の芸ではない!」と twitter でつぶやくんです。ファンが監視するんです。
natalia:twitterで監視(笑)すごーい! その発想はなかったなあ。でも、監視してる意見を取り入れるくらいの事務所体質なら色々今までだって改革してそうなので、これはたぶん無理じゃないか、と。
そして、ブラックボックス(笑)でも、昔ほど合宿所に Jr. が入り浸ってる雰囲気無くないですか? ワタシそこらへん詳しくないんであれなんですけど。
あと、二代目襲名ってすごいですね。歌舞伎みたい。まさに伝統芸能の域ですねえ(笑)。ジャニーズは伝統芸能化するしか生き残る道はないと思うのですが、「ジャニーさんの伝統」と「ジャニーズの伝統」って、微妙に違う気がするんですよ。ワタシが伝統芸能化、というのは、後者の意味で、です。
前者は、いわばブラックボックス的趣味全開の表現ですよね。つまり御本人がいらっしゃらない場合、それを代わりに誰かが企画することは不可能だと思うんですよ。あの思考は受け継ぐなんて出来ないでしょう。だけど、後者だったら、型をつくれば受け継げると思ってるんですね。
たとえば、入所者数は年何人までとか決めて、それこそ宝塚のように受験すらパフォーマンスにすることから始め、中心となるシンメを決めてグループを編成し、きっちり先輩のバックでグループ単位で踊らせて、シンメを崩さず出来れば結成当時のメンバーのまま、一流の制作陣のもとデビューする、という。
このくらいだったら、そんなに難しいことでは無いと思います。むしろ、整合性が取れて、運営側もやりやすくなるんじゃないのかな、と思うんですがどうですかね(笑)。
そして、今、事務所に対してワタシが感じているのは、ジャニーズというブランドは世間的に、もはや SMAP と嵐 以外はサブカルチャーと同じなんだなあ、と。そこを認識していないで今まで通りのやり方を貫いていると、ジャニーズはどんどん廃れていく気がします。


——グループの数が増えすぎたんですよ。いま13組? 少年隊入れたら14組? NYC と テゴマス も入れたら16組? ソロシンガーを入れたら、もう数えられないくらいですよ。たしかに、それはサブカル化ですよね。
natalia:でも、サブかル化で良いと思うんですよ。ただ、問題なのは、売る側にサブカルという自覚が無いところですね。これからは、大衆相手にするよりも、狭い相手に濃い商売した方がよっぽど将来明るいと思います。例えば、宝塚みたいな。全部のグループが大衆を相手に商売しようとすると、実質的に無理な話じゃないかな、と感じるので。お金を落としてくれない大衆相手よりも、お金を落としてくれる常連相手の方が、事務所も儲かりファンも楽しめてお互いにハッピーになるような気がします。


——そういう意味では私はサブカル化反対ですね。また、今度その理由は書きます。でも、現在の世間の関心は、秋元康プロデュースや K-POP にあるのでしょう。ジャニーズのブランド力は落ちたんですよ。嵐 は 嵐 として大人気であったとしてもです。
natalia:そうですねえ・・・。
ワタシは嵐について何も語れないのですが、ただ一つ残念だなあ、と思うのが、彼らの歌の認知度が、彼らの人気に比例していないイメージがあるんですね。枚数売れてるとかそういう問題じゃなくて。例えば、ワタシ、AKBのこともあまり知らないんですが、今年発売された歌、サビだけなら結構歌えたりするんですよ。もちろん、特別にYoutube見たとかじゃなく、普通に生活してただけなのに、♪フライングゲェトォ〜ぼくは一足さきにぃ〜、とか♪カチューシャーはずしなーがらー、とか、自分でもどこで覚えたのか分からないんですが、なんとなく歌える。これは、AKB 側が露出する戦略の一つとして、歌を意識して組み込んでいる証拠だと思うんですが、それはやっぱり正しいと感じるんですよ。逆に、嵐は、彼らのバラエティ番組とかウチの家族なんかよく見てるのでワタシも見てますし、テレビにもすごく露出してるのに、全然今何を歌ってるのか知らないんです。このミーハーのワタシが。歌の良し悪しを論じる以前に知らない。



——また、秋元批判しないといけないのか(笑)。本当は大好きなのに(笑)。AKB は 嵐 のように演技もバラエティ番組も、(歌もだけど)出来ないからでしょう。だから、取りあえず歌わせるしかしょうがないんですよ。そして、natalia さんが AKB の曲を知ったような気になっているのは、AKB がサビでタイトルを連呼しているからですよ。それ以外の部分も歌えますか? それと嵐 の楽曲を比べるのはいくらなんでも酷すぎます。嵐の曲はどれもよく出来ていますよ。もう聴かなくてもわかるくらいです(笑)。
嵐 が問題なのは、あれだけ人気があって、あれだけ DVD が売れているにも関わらず、SMAP にあるような誰もが知ってる代表曲がないことですよ。それを作ろうとする気配すらないというお寒い状況。かっこいい曲はいくつもあるんですけどね。
natalia:そうですね。嵐の曲というか SMAP 以外のグループについては、制作方法に根本的な問題があると思うのですが、それはまた後で言います。
あと、AKB は演技もバラエティも出来ない、とおっしゃいますが、きっと秋元さんはそんなこと興味ないんだろうな、と思います。なんだかんだいって作詞家ですから、自分の思う表現を具現化する存在としてあれば満足なのかな、と。あと、AKB 自体に長期的な展望を望んでいない気がします。実際 SDN はもうすぐ無くなりますし。


——SDN はスポンサーが撤退するから解散なんでしょ? そもそも「スポンサーってなに?」って思いますけど。全部ビジネスの話ですよ。「都合のいいときだけ作詞家の顔で出てくんのやめろ!」って思いますけどね。秋元康は作詞家として評価されているのか? それともビジネスマンとして評価されているのか? そこは分けて語りたいもんです。
natalia:ビジネスマンになりたい作詞家、というイメージですかねー。まあ、秋元さんがいなくなっても、また似たような人は出てきそうなので、世の中にはああいう人間はなんらかの形でいる、と思う程度なんですよね、ワタシにとっては。個人的には SDN の方がユーティリティープレイヤーだったのになあ、とか思うんですけど。そもそも、スポンサーがないとビジネスとして成りたたない、というそっちの方が驚きですね。ワタシはそこら辺の事情詳しく知らないんで分かりませんが。


——まあ、だから秋元康を特別評価する必要はないわけです。ましてや「阿久悠さんが死んだ今、歌謡曲の1番はオレ」みたいな感じで出て来るのは絶対許せない。
natalia:え?そんなこと言ってるんですか? 寝言でも恥ずかしいレベルの発言ですよー(笑)うっけるー(笑)。
それは、料亭の料理とマクドナルドの味の比較をしてるようなものですよ。どっちが言い悪いの問題じゃないです。出発点も着地点もそもそも違う、という意味です。
嵐 と AKB の楽曲比較ですが、嵐 のほうがレベルが低いとは思ってません。でも、実際大衆がどちらのグループの曲を多く知っているか、といえば、AKB だな、と思った、というそれだけのことです。
でも、他のジャニーズグループでも同じ現象が起きていて、ぶっちゃけワタシ、今年ジャニーズから発売された曲で、KAT-TUNSMAP と キスマイデビュー曲しかハッキリと知らないんです。あ、V6 はドラマ『 9係 』の主題歌だけわかるわ。でも、それくらいですかねえ。『はだかんぼー』は題名がインパクトあったので題名は一発で覚えたんですけど(笑)でも、いまいち曲が残らない。この状態、自分でもびっくりなんですが。3、4年前まではもっと知ってたんです。TOKIO も キンキ も 滝翼 も 関ジャニ も NEWS も JUMP も。でも、2011年はお茶の間にジャニーズの歌が全然届いてこなかった。少なくともワタシには届いてこなかった。KAT-TUN だって、自分が好きだから知ってるだけでそうじゃなかったらまず知らないと思います。特別ライフスタイルが変わったわけではないですし、むしろ10年くらい前のワタシがあまりテレビを見てなかった頃でも、 SMAP やキンキの歌は普通に知ってたので、やっぱり世間へのジャニーズの歌の影響力がグッと落ちているんだと思います。
それは、単なる売上以上に事務所の根幹を揺るがす問題として、もっと事務所側は意識すべきだと思いますね。



——それはそうでしょうね。でも、サブカル化ってそういうことですよね?
natalia:ああ、そっかー。それがサブカル化かあ・・・。でも、音楽業界全体がサブカル化してる、というご時世ですからね・・・。
先ほどの 嵐 の代表曲がない、という事ともちょっと関係するかもしれませんが、バラエティ番組って、いくら楽しんでても、それは後に残らないものじゃないですか。歌って、やっぱりグループ活動の基本だと思うんで、そこを大事にしているという意味で、秋元康 は間違ってないと思うんです。売り方は非道だし下衆なやり方だとは思いますけど秋元さんもそこは十二分に承知の上でしょうし。それにワタシ、AKB の歌嫌いじゃないです。歌謡曲として、わりとキチンと作っているイメージというか。聴かせ所知ってるなー、というか。逆に言えば聴かせ所しかしらないのかもしれませんが(笑)。それでも、フレーズが残らないよりは残る方がいいと思うし、あと、衣装も見ていて楽しいですし、アイドルとしての基本はクリアしているので、茶の間で見ていてストレスがたまらないんです。


——ちょっと真剣に突っ込みますよ。「売り方は非道だし下衆なやり方」でも、騙してる側に「騙している」という自覚があればオッケーなんですか? 
natalia:オッケーというか、いくらこちらが「騙されてるよ!」と言っても、騙されてる側って「それでもいいの!」って言うと思うんですよ。だめ男にはまってる女性とか、ホストやホステスに貢ぐ男女って、そんな感じでしょう。違法行為じゃない限り、こちらが止めることは出来ないですしね・・・。もう自分で気づくまで待つしかない、というか。


——それは受け手の側の話ですね。
natalia:そうですね・・・。
まあ、あそこまでいくと、もうこちらがどうしようもない、ってことじゃないのかな、と。売り手を非難しても買い手がいる限り防ぎようがありませんしね・・・。
あと、ワタシ、嵐について全く語る資格もないんですが、あれだけ売れているのにグループの根幹である楽曲がワタシのようなミーハー人間に届かない売り方をしている事務所は、ブランド力を自ら落とした印象があります。少なくとも今やってるレギュラー番組のうち、一つの番組は『スマスマ』のような根幹番組を作るべきだったし、その中で毎週彼らに歌を歌わせるべきだったと思います。それこそが、嵐というグループを「文化」として根付かせる必須条件だったのでは、と感じます。じゃなければ、バラエティー番組にただ毎週出ているだけでは、いつか消えてしまうものとしての「消費」の対象がただ拡大しているだけ、という風に見えてしまうのです。


——言われてみれば、、、そうですね。歌を歌っていない(笑)。どうしてなんだろ?
natalia:スタッフがダメなんじゃないですか?
もちろん、嵐自身に非はありません。ただ、せっかくあそこまで売れっ子になったんだから、スタッフというかジュリーKはその先を考えるべきなんじゃなかったか、と思います。まあ、番組構成が『スマスマ』と似ているのはよろしくないのかもしれませんが(笑)、それでも、やっぱりグループの土台として、歌という部分にもっと力を入れるべきだとおもいますね。事務所のブランド力の復権は、歌無くしてあり得ない、とワタシは思います。なぜなら、歌はずっと残っていくものですから。形に残るものが最終的には強いんですよ。



——ジャニーズ事務所のブランド力の復権は、K-POP と同じレベルの楽曲を作って見せること。それとAKB にチャートで勝つこと。その2つが必要です。例えば、嵐 に握手会をして200万枚CDを売ってもらいます。そして「こんなバカバカしいこと2度とやりたくない!」って言ってもらうのはどうですか? 
でも、今年に関しても私は 秋元康 よりジャニーズの方が遥かに残る作品をつくっていると思いますよ。KinKi Kids のアルバムは素晴らしい出来でした。Hey! Say! JUMP も勢いが出てきました。私としては商売の話は抜きにして、いい作品は評価していきたいです。
natalia:そうですね。その為にはやっぱりサブカル化してる場合じゃないのか(笑)。そして、100万枚売って握手会してる AKB がいる限り、200万枚売っても状況はそんなに変わらないかもしれませんね。悲しいけれど。
やっぱり、ジャニーズのスタッフがきちんと歌番組を作るべきだと思います。良い楽曲を作っても触れる機会が今はあまりに少なすぎる。事務所で枠買って、デビュー組が入れ替わり立ち代わり定期的に出られるような、歌も含んだバラエティ番組、というものをキッチリ作りこむべきだと思いますね。夜中でもいいので出来れば地上波でやってくれれば最高だな、と思います。ワタシだって、いい曲は評価したいですし、そのためにもその機会を作って欲しい、と思います。


——ニコニコ生放送でジャニーズの PV 流しまくる番組をやればいいのに。中高生はニコ生大好きなんだし。
natalia:ニコ生いいですね!それ最高!!
どうせならジャニーズもスポンサーになって、どんどん利用しちゃえばいいのに! この手の外部に目を向けることが今ジャニーズに一番欠けているところだと思います。
そういえば、wakita-A さんが紹介してらっしゃった Hey! Say! BEST の『 Screw 』すっっごく良いですね! 



——nataliaさんがブログで書かれた Sexy Zone の文章を見て、『 Screw 』好きだろうと思ってました(笑)。こういうのど真ん中ですよね!
natalia:でへへ。藪宏太が歌う歌謡曲って最高だな!と思いました。どうしてあの曲シングルにしなかったんだろう?と不思議なくらいです。JUMP はもっと大衆に愛される曲を歌える人たちなのに、なんだかもったいないな、と思いました。『 OVER 』が悪いわけじゃないんですけど、JUMP の良さを発揮してるのか、と言われると微妙かな、と。藪くんはボーイソプラノ時代が強烈なインパクトだったので今の歌には力が無いかと思ってましたが、あの歌聴いて藪くんと八乙女くんの歌の力はもっと前面に押し出してもいいのに、と感じました。


——『 OVER 』は NEWS『星をめざして』と同じタイプの曲です。『星をめざして』は NEWS 活動休止明けのシングルでした。現実の出来事を歌詞に盛り込んだ「通過儀礼ソング」になっているんです。これ以降、Hey! Say! JUMP は 嵐 の次のトップグループを目指して、活動を広げて行くはずです。
では、3位と nataliaさんの「ジャニーズBESTソング」は第3部で。しばらくお待ちください。