ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

ジャニ友、Ginnan さん編。後半

お待たせしました。Ginnanさん編の後半になります。今回もがっつり語っていただきました。まだの方は前半もご覧ください。テゴマスを推しますよ!!


◉ジャニ友、Ginnan さん編。前半
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20120217/1329474931



——その後、ジャニーズで気になったタレントはいましたか?
Ginnan:これも特にないですね。少年隊まではメンバーの名前を知っていたけれど、光GENJI になったらわけがわからなくなったという当時の一般的な大人でしたから。


——そうです! それが「大人」ってもんでした。ジャニーズにハマったことがない人にとっては、特にそうだったと思います。「♪ 大人は見えない しゃかりきコロンブス」です。
Ginnan:SMAP以前は、アイドルって小中学生のものと思っていましたよね。SMAP が世に知られるようになった頃、何かのラジオで SMAP の30代の女性ファンが増えていると聞いて「ええ? 30過ぎてアイドルが好きなの?」と思った記憶があります。
でも、いまは違うんだなと、気づきました。娘の話を聞いていると、ママがジャニーズ・ファンで一緒に楽しんでいるという子が、案外、多い。親にジャニーズへの先入観や垣根があまりないのでしょうね。年齢にすると40歳前後。SMAPTOKIO などと同じか少し上くらいなので、一緒に育って、楽しんでいるのでしょうね。


——週刊誌『an an』で木村拓哉が「抱かれたい男 No.1」を最初に取ったときから、すでに17年以上が経過しているんですよ。だから、その当時の状況を知らない子たちが、すでにジャニーズ・ファンの中心になっているんですよね。
Ginnan:わかります。周囲の20代、30代に「娘がジャニーズ好きになってしまって困っている(笑)」と話すと、「私もジャニーズ大好き。○○くんが好きです」なんて平気で言いますしね。もちろん興味がない人は「へぇ~」で終わるけれど。年齢に関係なく、興味のある人とない人の差が明確なのもおもしろい。


——やっぱり、母親として困ったんですか(笑)。まあ、そうですよね。でも、今はそれなりに楽しまれてるんですよね?
Ginnan:「え? うちの子がよもやのジャニーズ?」とは思いましたがw いろいろ聴いている中の1つにジャニーズがあるくらいならいいかなと見ていますけどね。それに一緒に聞いていると、確かに楽しいですよ。アイドルなんて所詮、鶏鳴狗盗と思っていましたけど、それは偏見でした。
といっても、私が聞くのはテゴマスと KinKi Kidsくらいですが。娘はそれに 嵐 と JUMP が加わる程度です。CD は買っていないけれど Sexy Zone やキスマイも最近は楽しく聞いているかな。テゴマスは、去年の今頃だったかな、仕事先の20代前半の子に「テゴマス、いいですよ」と教えてもらったんですよ。そのときは「ああ、デカワンコの手越くんね」くらいで流していたのですが、よもや数ヶ月後に DVD まで買う事態になろうとは!(笑)



——テゴマスのファン層はたしかに、もっと広がってもよさそうですね。
Ginnan:耳障りのいい声だから CMソングとかがうまく取れればじわじわ広がりそうな気はしますけれどね。
あと KinKi Kids は、元々、曲が好きでしたよ。CD を買ったり、借りたりはしていませんでしたが、『硝子の少年』はちゃんと歌えます。他はなんとなく知っている程度。最近、娘と一緒にベスト盤を借りてきましたが、やっぱりちゃんと知っているのは『硝子の少年』だけでした。


——それはどうしてなんですか? 『硝子の少年』はなにが特別だったのでしょうか?
Ginnan:『硝子の少年』って『金色夜叉』を彷彿させる女々しくて古くさい世界観で、少々、野暮ったい。でもあの2人が歌うとナイーブないまどきの少年らしい曲に聞こえました。


——ああ! 作詞した松本隆さんは『スワンソング』のことを語ったときに、『金色夜叉』で何が悪い!って言われていました。キンキの作詞をするにあたり、その雰囲気を大切にしているのかもしれません。
Ginnan:よく情景が浮かぶなんていうけれど、歌って物語性が重要ですよね。『硝子の少年』も、少年の失恋物語として完結しています。青くささが適度に野暮ったくもあって。そんな感じが昭和の歌謡曲世代にも違和感なく受け入れられる力を持っていたのでは? 多くの人に受け入れられるものには適度な野暮ったさも必要ですし。特にアイドルはちょっと野暮ったいくらいがよくて、最先端である必要がない。


——ジャニーズはそれを意識していると思います。Kis-My-Ft2 の新曲は『SHE! HER! HER! 』ですから(笑)。素晴らしいですよ!
Ginnan:『硝子の少年』は曲も歌いやすくて、サビの辺りなんて、何気なく口ずさんでしまいます。私もすぐに覚えましたよ。確か、達郎さんはミリオンを狙える曲をという注文に応え、ジャニーズの曲を研究しつくして「これしかない」と作られたんですよね。私のようなところまでに届いてきたというのは、それがずばり当たったってことじゃないですか?


——それを狙ってできるって凄いですよね? 怪物ですよ。松本さんなんて、マッチさんのときと2回目です。
Ginnan:すごいと思います。松本隆さんも山下達郎さんも。それに、馬飼野康二さんも。あの方が今も現役でアイドルソングを作っていることにも驚きました。


——現在、64歳! たぶん、魔界出身(笑)。
Ginnan:最初に Sexy Zone のクレジットでお名前を見つけたときは、これは誰かのカバー? と思ったくらい。思わず娘に「私が小学校の頃にヒデキとかに曲を書いていた人だよ」って言ってしまいましたww 話がそれましたね。
デビュー時の KinKi Kidsってジャニーズに興味のない人間から見ても魅力的でした。歌もダンスもうまかったですしね。……と書きつつ、キンキは単に自分が好きなだけかもしれないという気もしてきたww。
Youtubeで2人のデビュー前の映像をいくつか見ましたが、素人目に見ても、今のジュニアなんか目じゃないわ〜ってくらいすでに出来上がっていたんですね。なに、この色気?ってくらいのエロさもある。こういうのをリアルタイムで見た10代は幸せだと思いますよ。なかでも、これがすごかった。



——『 A album 』に収録された『 Rocks 』ですね。金田一くんのときもそうでしたが、この頃の剛くんはギラつきがありました。
Ginnan:この人がキラキラ王子様の光一さんと組んで、この楽曲でしょう? しかもCDバブルの頃。売れないはずがない。
ただ、そもそも、あの頃は、今よりもジャニーズそのものが、一般の人にもっと浸透していましたよね。SMAPTOKIO、V6辺りの曲もあえて聞きにいかなくても、普通に耳に入ってきませんでしたか? サビの部分くらいなら私もそれなりに知っていましたよ。でも、今は、ジャニーズの曲はあえて求めないと耳に入って来ない。モーニング娘。なんかも普通に耳に入ってきて、気づいたら全員の名前を知っていましたから、やっぱり音楽の力が弱くなっているってことなのでしょうね。


——まあ、飽和状態って感じはありますかね。娘さんと一緒にジャニーズの関連番組を見られているということでした。どんな感じで見てられるんでしょうか?
Ginnan:番組を決めてバラエティとドラマをいくつか見ているので、一緒に「○○くんと、××くん、どっちがかっこいいか」などと、ああだこうだ言いながら、見ているかな。どれも録画もしているので、気にいると何度もリピートしています。中でも『少年倶楽部』は何回も見ます。もうやめてくれというくらいに。


——NHK BS『ザ・少年倶楽部』。もう、ジャニーズ・ファンにとっての「日曜日のミサ」ですよw あっ、いまは金曜日なのか。私なんてバンコクに行ったら、1枚300円ほど払ってダビングされたDVDを買っています。
Ginnan:ミサ!!(笑)。『少年倶楽部』の熱気は私も好きですよ。皆、与えられた場で自分をアピールしようという必死な感じが伝わってきて、すがすがしいほど。ジュニアにグッと心を掴まれる瞬間もあります。



——あと、あのバックで踊っている少女たちはどこから来るのか? どこで振り付けを練習するのか? 気になります(笑)。あんなインパクトのある映像もないですよ。世界中どこ探しても。
Ginnan:ジャニーズ・ファンでも、あの女性達は謎なのですね。あの一糸乱れぬ動きはなんだろう、そもそも、あの人たちは誰なのかと我が家でも謎ですww「おお今日もふりが揃っている」「いつの間にか、ペンライト振っているよ!」と、話題にしています(笑)。
ドラマやバラエティが入口でも、音楽にくすぐられてジャニーズに、はまっていくんですね。初めは群舞にしか見えないジュニアのダンスも、何回か見ているとだんだん顔の見分けがつき、「あの子、なんか目立つね」みたいな“目”が養われていくんでしょう。「あ、今日も○○くんがいる」なんて、探していますからね。娘を見ていると、こうしてジャニーズ・ファンが作られていくのかと納得しますよ。同年代のカッコイイ男の子たちがキラキラと歌って踊るのがたまらないみたい。ジャニーズ事務所の思う壺でお母さんは本当に困りますww


——ほどほどにお願いしたいですね(笑)。
Ginnan:ええ、ほどほどで(笑)。


——娘さんについてもお聞きします。ジャニーズで最初に興味を持たれたのはなんだったんですか?
Ginnan:きっかけはドラマ『怪物くん』でした。吹奏楽部に所属していて、『Happiness』など 嵐 メドレーを演奏したりしていたので 嵐 の曲は好きでしたが、ファンになったのは『怪物くん』からですね。しかし、なぜか 櫻井さんのファンになりました。今もジャニーズの曲でいちばん好きなのは、『Happiness』だそうです。吹奏楽で演奏してばっちり決まるとすごく気分のいい曲なんだそうです。



——土9の日テレはジャニーズ・ファンの中で評価が高いですね。2010年の大野くん主演ドラマ『怪物くん』でジャニーズを好きになったと。でも、好きなのは櫻井くんであると。
Ginnan:いまは、この枠は、山田涼介くん主演だから、もう大変です。山田くんと中島くんのシーンばかり何度もリピートしています。本当にジャニーズ事務所の思う壺ww


——ドラマ『理想の息子』ですね。
Ginnan:あとピアノでもいろいろ弾いています。ジャニーズでは『 Happiness 』の他に『 Beautiful days 』、『青いベンチ』などが好きで、この3曲は聞くだけじゃなくピアノでも弾いていますね。それ以外に好きなのは、『魔法のメロディ』、『瞳のスクリーン』だそうです。すべて順不同です。



——なるほど。嵐を入り口にどんどんジャニーズに入っている感じですね。
Ginnan:最近は、嵐はそれほど好きではなく、Hey! Say! JUMP ファンに移っていますが、今のところ、JUMP の曲はピアノで弾きにくそうなのでやる気がないそうです。


——昨年『OVER』で「通過儀礼」を済ませ、JUMPは大人のグループとして、活動を広げて来ています。そういう状況に敏感に反応されていますね。それは興味深いです。
Ginnan:ん?通過儀礼? その専門用語がわからないけれどww


——これは私が今、本にまとめている話なんです。ジャニーズの中心になるグループは少年時代にデビューして、大人になるときに厳しい試練を課せられるんです。例えば、嵐だと『PIKA☆☆NCHI DOUBLE』がそうでした。歌詞には「♪ 悩んだ理由は忘れてしまった 僕の憂鬱を誰か止めてくれないか」とあるんです(笑)。「アイドルがなに歌ってるんだよ!」と衝撃を受けました。でも、それ以降 嵐の歌からは毒が消え、ポジティブな今の方向にシフトしたんです。
Ginnan:大人になる通過儀礼ですか。なるほど。それも曲で表現して、ファンの認証を得て大人の階段を上っていくというわけですね。
ジャニーズ・ファンって、成長物語をひっくるめてのファンなんですよね。ジュニア時代から成長を見守るというか、自分を投影しながら共に成長していくという感じで。ミュージシャンでも俳優でも、ファンは作品を見てその成長を楽しむわけですが、本人の人となりに留まらず、グループ内の相性からすべてを見守られている感じが、独特ですよね。はまると楽しいでしょうし、あたたかさでもあるのでしょうが、その濃さゆえに苦しい部分でもあるでしょうね。


——Hey! Say! JUMP『OVER』では、現実の事件が歌詞に取り込まれました。森本くんの活動停止です。そして、JUMPはそれを乗り越えて大人になるという物語が描かれているんです。そして『SUPER DELICATE』で、特別な「君」という存在を得て、前に進んで行くことが宣言されています。
Ginnan:確かに、JUMPはいまが旬のみずみずしさがありますよね。今回の曲は、とてもいい。我が家でも、もう、毎日、聞かされています。名前と顔が一致していないのですがww、人数の多さを生かしたダンスも魅力的で、私も好きですよ。


——本当に素晴らしいですよ。
Ginnan:娘は、嵐 の前から いきものがかり のファンでもあるし、ガガも好きで、ジャニーズだけが好きなわけではないので、あまり書かれたくないとも言っているのでこれ以上はパスしますね。すいません。


——いえいえ、こちらこそすみません。十分です。ありがとうございました。
そして、Ginnanさんのジャニーズベスト・ソングを。


1位 仮面舞踏会 / 少年隊
1位 夜空ノムコウSMAP
1位 Happiness / 嵐
1位 サヤエンドウ/ NEWS
1位 ぼくらの空 / テゴマス


Ginnan:順位付ではなく、グループ別にピックアップしてみました。なので年代順。テゴマス以外は、誰でも知っている曲ばかりなのでしょうが、その程度しか知らないんです。すいません。


——いえいえ、そんなことはないです。
Ginnan:キンキの曲は『僕の背中には羽根がある』など、他にもいろいろ好きなのですが、『硝子の少年』を上のほうに書いたし、『Happy Happy Greeting』も前回、書いたので、はずしました。



——では、まず少年隊『仮面舞踏会』から。
Ginnan:ザッツジャニーズ、ザッツ歌謡曲、しかも筒美京平さん!! 私にとって、ジャニーズのアイドルなら、こうでなくっちゃって感じの人たちかな。歌は微妙でしたが、とにかくダンスがかっこよかったという印象です。今は少年隊というと東山紀之さんですが、この頃は、錦織一清さんのほうが目立っていましたよね。


——ああ、そうだったかも。真ん中ですもんね。後でドラマを中心にヒガシの人気が出るんですよ。「おしょう油顔」とか言って(笑)。
Ginnan:東山さんは郷ひろみさんに通じるナルシストでしかもストイック。そして、いまもカッコイイ。その辺りもジャニーズアイドルの王道かな。正直、年下の 木村拓哉さんよりカッコイイ。いつだったか、キンキと東山さんとでこの曲をコラボしていましたが、東山さんの動きが一番キレがありましたよ。


——ジャニーさんが好むストイックさなのかもしれないですね。私がジャニーズを好きな理由に「ストイック」は絶対にあります。それはファン以外の人にとっては意外なことかも知れないですけど。
Ginnan:私もアイドルってストイックであってほしいと思います。阿久悠さんが以前「等身大って言葉が大嫌い」とおっしゃっていましたが、まさにそうで、アイドルは等身大である必要はないし、本音なんて語らなくてもいい。


——そうですか! 阿久悠さん「等身大って言葉が大嫌い」ですか! ありがたいお言葉です(笑)。
Ginnan:握手なんかできなくてもいいんです。偶像なんだから。インターネット時代は、偶像を偶像のままにしておいてくれないのが難しいところですが、素な顔なんて見せないで、ストイックにアイドルでいてほしい。昭和的な価値観なのかもしれないですが。


——いや、結局そういう人たちが生き残っている気がします。SMAP もそうでしょう。で、そのSMAPの『夜空ノムコウ』。
Ginnan:曲として純粋に好きです。「あの頃の僕たちは〜」という始まりに心が掴まれるし、「僕の心のやらかい場所を今でもまた締め付ける」なんていうフレーズがすごくいい。凡庸と普遍って紙一重だけれど、その紙一重を超えた言葉はやっぱり人を引きつける力がある。郷ひろみさんの『よろしく哀愁』の「会えない時間が愛育てるのさ」とかね。歌は言葉で決まると思っているので、心を掴まれる歌詞のある歌にはやられますね。



——SMAPのプロデューサーさんたちは、作家への依頼の仕方もいいんでしょうね。
Ginnan:しかも、スガシカオさんが歌うより、川村結花さんが歌うより、SMAPが歌うほうがいい。SMAPにしか作れない歌の世界ができているような気がします。SMAPって5人の世界が強固ですよね。決して仲良しってことじゃなく、あの5人にしか入れない秘密の場所があるみたいなイメージで、そこで5人がぽつりぽつりと語り合っているみたいな歌の雰囲気も好きです。


——『滝CHANnel』で稲垣くんが、今でもメンバーといると緊張すると言ってました(笑)。5人がいること自体が特別な時間なんだと思います。緊張感をなくさないようにしているんでしょうね。
Ginnan:他の曲、たとえば『 $10 』や『セロリ』、『世界に一つだけの花』などは、ご本人が歌っているほうが好きなんですけれどね。基本的に、SMAPの音楽は……と思う派(すいません!)ですが、歌の魅力は歌唱力だけじゃない(w)ってこういうことを言うのでしょうね。



——私も SMAP の曲で「もう少し高音が出たら…」と思うことがありますよ(笑)。まあ、少々ハラハラしながら聴くのも魅力と思っていますが。これは KARA の作家陣が書いた『 FEEL IT 』です。



Ginnan:わぁ〜カッコイイ曲。しかし、やっぱりハラハラしますねww
ジャニーズのシングル曲は、グループ内で皆が平等にワンフレーズずつを歌いつないでいくというのも特徴ですよね。目立つところは、トップの人が歌うとかね。SPEEDみたいな形はあり得ないんだなと思っていたら、キスマイは、見事にSPEEDで、あれはあれで賛否両論あったのが、また興味深かった。そして、wakita-Aさんの「心配事」という解釈がさすがだなと感心しました。
話がそれましたね。すいません。


——嵐『 Happiness 』。
Ginnan:曲調がコロコロ変わる『モンスター』もおもしろいので、どっちにしようか、迷ったのですが、嵐らしい曲ってことで、こっち。嵐って、いつも機嫌のいい男の子たちというイメージ。ゴキゲン!というほどテンションは高くなく、性格がいいかどうかまではわからないけど、とりあえず、なんかいつも機嫌がいいよねって感じ。
で、そんなイメージにピッタリなのが『Happiness』で、娘も私も好きです。あと、嵐のシングル曲はドラマの主題歌が多いせいか、それとも一緒に歌うことを意識していないのか、割と歌いにくいんですよね。転調も多いし。でも、これは歌いやすいので、車の中で一緒に歌ったりしています。



——これは多部ちゃんが出てたドラマ『山田太郎ものがたり』の主題歌ですね。私も大好きです。
Ginnan:嵐のシングル曲は、ストリングスを効果的に入れて、端正に作ってありますよね。嵐の正統派アイドルのイメージって、シングル曲によるところが大きいんじゃないかなと思います。そして、歌うより器楽演奏に映える曲が多い気がするな。吹奏楽でも嵐メドレーってすごく人気で、吹奏楽の賑やかな感じにとてもマッチします。


——次、NEWS『サヤエンドウ』。
Ginnan:『ワンピース』の主題歌で、こんな耳に残る曲なのに、全然、聞いた覚えがない。年代的に、まだ娘が小さい頃だったから、なおさら、どこかで聞いてもおかしくないのにと不思議な気がしていましたが、調べて納得。大変な時期の曲だったんですね。ファンの人にとっては複雑な気持ちになる曲なのかな。



——それ言ったら聴く曲がなくなってしまいますよ。本当にいろんなことが起こるグループです。
Ginnan:アイドルの王道ではないのでしょうが、覚えやすくて、メンバーの個性も出ていてこういう曲好きだな。結成から大変だったみたいだけれど、こうして映像を見ると、NEWSって、力のある人の揃ったいいグループだったんだなと思います。順調にいっていたらターニングポイントにもなりそうな曲だったのに、ファンもスタッフも、もちろん本人たちも、皆、さぞや悔しかっただろうななどと、いろいろ考えもした曲。そういう時期を乗り越えて今の選択があるのだろうから、皆に幸あれと心から願いたくなりますね……。それぞれが抱えた不安や理不尽な思いをバネにいい仕事をしてほしいもんです。


——早くシングル出して欲しいですね。まだベスト盤も出してないので、間違いなく出ると思うんですけど。
Ginnan:あと、錦戸くんの毒のある声も好きです。NEWSから山下くんが抜けたよりも、この毒のある声が抜けたほうが残念だぁと思うほど、あの声、好きですね。


——おお、それはうれしい言葉です。ジャニーズは他のジャンルの音楽と違って、声量や声域だけではなく、声の個性をとても重視してると思うんです。だから、通常の上手い下手だけでは語れないと思うんですよね。
Ginnan:なるほど。娘が聞いている 嵐 や JUMP のアルバムでも個々の声を際立たせている感がありますね。ちなみに私、中居さんの歌声も案外、好きです。

——ええ、私も好きです。
Ginnan:錦戸くんのこの毒のある声と手越くんを合わせたらおもしろいだろうなと思っていたら、NEWS のアルバムにも2人で歌っているのがいくつかありますね。グループならではの組み合わせで、ジャニーズってこういうこともするんだと興味深かったです。しかも2人の声が重なった感じがいいですね。
またどこかでやってくれないかな。バラードじゃなく、ギンギンのハードロックを2人でガチンコ勝負のように歌ってくれたら、絶対、カッコイイはず……。無理?無理だな(笑)。アルバムを聴いていると錦戸くんの存在感が大きいですね。歌唱力のもう1つの柱だったのでしょうね。


——でもね、錦戸くんにはもっと頑張ってほしかったんですよ。歌よりも曲作りとかの方が好きなのかもしれないです。


http://www.youtube.com/watch?v=5ApB3xsqr40


Ginnan:頑張って欲しかった……。よくわからないけれど、期待の星だったってことですか。こんな小さいときから、ジャニーズだったんですね。知らなかった。そして、変声期前は、随分、高い声。今の声からは想像がつかない。


——ジャクソン5も歌っていたんです。まあ、声変わりはしょうがないんですけど。次、テゴマス『ぼくらの空』。
Ginnan:パンチのきいたノリのいいポップス。ロックも上手いし、バラードもいいんですが、スコーンと抜ける感じのカラッとしたポップスがこの2人には合うような気がします。テゴマスのあいの1曲目の『音色』とか。最初に娘が「WHAM!みたいな曲を歌うといいのに」とお母さんが言っていると書いていましたが、ライブ盤の「ぼくらの空」を聞きながら、「テゴマスって、WAHM! の FREEDOMや、The edge of heaven みたいな曲、歌ったらよさそう。きっと合うよ!」なんて話をしていたんです。


——そうでした。娘さんにここのコメントに書き込んでもらったんです。
Ginnan:テゴマスのアルバムは3枚とも聞きましたが、最初は、甘過ぎるなという印象でした。さら〜っと歌っているように聞こえるからか、簡単な曲ばかりにも思えて、でもよく聞くと、結構、難しい曲もありますね。



——そう! 難しく聴こえないけど、かなり難しいです(笑)。
Ginnan:盛り過ぎな感もあって、何がしたいの?させたいの?と思っていたんですが、スタッフがいろいろ歌わせてみようと思って作っているのかもと考えを変えたら、合点がいきました。特に最初のアルバムの「テゴマスのうた」は、ジャズ風もあれば、ロックもあるし、尺八や津軽三味線まで登場する辺りに試行錯誤感が漂い、おもしろかった。そう思って聞くと、このアルバム、結構、おもしろい。時間もかかっているような感じ。それとも最初は、まったくの企画物のつもりで作っていたのかな。それらを歌いこなして、テゴマスらしく仕上げる力があるんだから、作っているスタッフもおもしろかっただろうななどと行間を読んでみたり。アイドルのアルバムの聴き方がわからなかったのですね。


——たぶん、ダンスミュージックはやらないことになっているでしょうから、その中での冒険をしないといけないですもんね。
Ginnan:そうか。ダンスをしない歌うグループだからなのか。なるほど。
ライブDVD『テゴマスのあい』はホント、よかった。構成もいいし、歌詞の幼さが気にならないくらいどれも熱が入っていて、飽きさせない。ちゃんとアイドルを演じて楽しませるサービス精神も旺盛だし。手越くんって、なかなかの器じゃないでしょうか。『イッテQ』で眠そうに座っている人と同一人物とは思えないww 


——テゴマスの彼は明らかに別人ですよね。最初にライブDVDを観たとき驚きました。案外アーチスト・タイプなのか?
Ginnan: RCを皮切りにライブはいろいろ見ているほうですが、他のポップスやロックのバンドのライブと比べても遜色ない力を感じました。


——そうなんです。ライブDVD で聴くと、ずっとよく聴こえる。J-POPは耳障りにならないようにってことを重視してミキシングしているからかも知れませんね。
Ginnan:CDの技術が向上しすぎてつまらないのはありますよね。きれいにつくり過ぎて、皆同じに聞こえるんですよね。
それとは別にライブDVD がよかったのは、たぶん、wakita−Aさんが過去記事の「手越祐也の泣きの歌声にやられた」で書かれていたことなのだろうなと思います。歌うのが好きでたまらなくて、テゴマスという場を増田くんも手越くんも必要としているという切実な気持ちが伝わってきたのでしょうね。そういう熱って伝わるものなんだなと改めて思いました。やっぱり作り手の思いって大事ですね。「ジャニーズねぇ……」と鼻で笑っていた私が動かされて、リピートしているくらいですからww 自分的にはかなり想定外!こういう発見があるのも音楽の楽しさですね。



——彼らこそ、そろそろセルフ・プロデュースとかやってみるといいのかも。私は2人が考案したという『Chu Chu Chu!』のダンスも素晴らしいと思いますし。
Ginnan:あのダンス、よかったですよね。私も好きです。お客さんを上手に誘って、一体感を作りあげるのもよくできていた。こういうこともできるんだと失礼ながら思ってしまいました。2人ともすごい楽しそうだったし。
ただ、おっしゃっていたようなビジュアル系には、私は行ってほしくないな。偏見ですが、ビジュアル系は歌の下手な兄ちゃんが、小手先でごまかしているイメージがあってちっともいいと思わないんです。



——ラルクhydeジャンヌダルクの yasu は上手いですよ。ビジュアル系はグラムロックから生まれた「ガラパゴス音楽」だと思います。まあ、実力はそれぞれですけど。
Ginnan:手越くんは、お化粧やコスプレさせたら帰ってきなさそうなw あの白い髪も微妙すぎるww っつか、誰か似合わないと言ってやれwwwと。ウソでもいいから、もっとさわやかな男らしい路線に変えたほうがいいんじゃないのかな。


——確かに。そういう安定感のなさがありますよねw どこを狙ってるんでしょうね?
Ginnan:空気なんか読まないで、好きなことしかしなさそうですよねww あんまり枠にはまってもつまらないのでしょうから、やりたいようにやればいいってことでww


——もしかしたら、そういうアーチスト・エゴを持った人なのかも知れないですね! それは発見だなー。だったら、ガンガン前に出して欲しいな。NEWS辞めない程度に(笑)。
Ginnan: wakita-Aさん、優しいなぁ。さすが、ジャニーズ愛に満ちた方は、解釈にも温かみがありますね。んじゃ、NEWSに支障を来さない程度にガンガンやっていただきましょうってことで(笑)。
そういえば、フジTVのプロデューサーさんのブログにも「リハーサルでの音楽的な会話をジャニーズへの先入観のある人に聴かせたかった」だったかな。確か、そんな表現があったので、案外、当たっているのかも。まだまだうまくなるだろうし、音楽に没頭したら、いい歌い手になると思うんで、もっと歌う場を作ってやってほしいなと思いますけどね。というか、純粋にもっといろいろ聞いてみたいな。
なのでビジュアル系よりは、おっしゃるように曲に力のある直球ど真ん中で勝負してほしいな。新生NEWS は、しっかりと歌って踊ってほしいですね。


——そうですね。NEWS は歌って踊ってなので、ビシッとダンスミュージックを決めてほしいです。
Ginnan:音楽業界が停滞しているからこそ、基本に戻ったほうがいいと思うんですよね。今の時代、難しいのかもしれませんが、才能のある人がていねいに作り込めば、評価されるとも思う。特にジャニーズのようなアイドル事務所は、鉄板の歌とダンスで見せてくれる人たちが出てほしいなと。甘いかな。


——ジャニーズ事務所にジャニーさんの跡を継げるプロデューサーがいるかどうかに懸かっていますよね。頑張ってほしい!
Ginnan:wakita−Aさんが書かれていたように、松本隆さんとか織田哲朗さんとか、そういう作家陣はもうアイドルに書かないのかな。なんでもいいんですけど、手越くんは、せっかくのあの声を持っているので、もっといろいろな歌を聞きたいですし、もうワンステップ高いところに上ってほしいな。


——ここ数年の松本さんのアイドル作品では『星間飛行』が素晴らしかったです。作・編曲は菅野ようこさん。アニメ『マクロスF(フロンティア)に登場するランカ・リーという宇宙一のアイドルのデビュー曲です。GinnanさんがRC で上げられた『雨上がり』のように聴いてもらえれば、、、ダブルミーニングになっております。



Ginnan:キラッ!ってのが、かわいいですね。いつの曲?と思ったら2008年?そんな最近に、こんなド直球のアイドルポップを作られていたなんて、意外ですね。しかもよく聞くと確かに軽くエロいww 松本隆さん、80年代からこの世界を書きたかったんですか。愛で争いをやめるとか、涙で地球を(宇宙を?)救うとか、松本隆さんって、こういう世界が好きなイメージありますね。テーマ的に、聖子ちゃんの『瑠璃色の地球』なんかに通じるのかな。


——マクロスという作品は子供向けというか、オタ向けというかw クオリティ自体がそれほど高いわけではありません。でも、テーマは過激なんです。アイドルが歌いだすと、軍人も宇宙生物も、みんなうっとりして戦争をやめてしまうw 松本さんは「歌が一番強い」という世界観に惹かれて、80年代の『劇場版マクロス』の頃から書きたかったそうです。で、その嫉妬された作品は作詞が安井かずみさん、作曲が加藤和彦さんのこの曲です。



Ginnan:あはは、これ、知っていますよ。こんなところで再会するとは。飯島真理さんは、確か、国立音大生で、坂本龍一さんのプロデュースでデビューしましたよね。懐かしいなぁ。でも飯島さんのオリジナルだと思っていた。安井かずみさん&加藤和彦さんでしたか!! これまた昭和歌謡の鉄板ですね。阿久悠さんとか、都倉俊一さんとか、松本隆さんとか、筒美京平さんとか、私たちは一流の作家陣が作った歌に育まれた幸せな子どもだったんだなぁとしみじみ。


——そうなんです。アイドルの楽曲は凄腕のアーチストが作っているんですよ。
Ginnan:しかも、アニメの主題歌? そうでしたっけ? アニメの記憶はないけど、覚えていますか〜♪のサビ辺りは、はいはい、覚えていますよ、歌えますよww 今、聞いてもいい曲だな。音大出だけあって声がホントにきれい。この声で、この歌で戦争を止めようという気になるのって説得力ありますね。


——いや、軍隊はもっと厳しい世界でしょうけど(笑)。キンキの『 K album 』はアイドル歌謡の作家陣を起用した名作になってますよ。まあ、それでキンキは一段落ついたので、ぜひ、松本さんたちを NEWS に引っ張って来てほしいですね。
Ginnan:『 K album 』も聞きましたよ。いいですね。何回も聞いています。



——ああ、聴いていただいたんですね! それはうれしい!
Ginnan:本当に豪華すぎる作家陣。松本隆さん+筒美京平さんとか、林田健司さんとか、織田哲朗さんとか、これを1枚にいれる?ってくらい惜しみない。『 2nd movement 』とか『ヒマラヤブルー』とか、ツボだなぁ。『ラジコン』もいいし。『危険な関係』は、妙な緊張感もさながら、吉田拓郎さんが曲を提供できるくらいお元気であることがわかって、ホッとしました。


——こうやって作家陣に競わせるってのもジャニーズならではですよ。
Ginnan:それにしても、光一さん、歌がうまくなったんですね。失礼ながら前はイマイチだったような……。さすがミュージカルで鍛えているだけあるな。そして、なんだか2人の声がとても似てきたw 夫婦は顔が似るといいますが、そんな感じ?


——どうでしょう(笑)。でも、私も感じました。今回、光一くんの歌がうまくなったと。2人はライバルでもあるんでしょう。いい関係ですね。
Ginnan:やっぱり KinKi Kids は別格ですね。こうしてグループとして活動する一方で、それぞれの道を極めていこうと、着々と実力をつけているのもすごいな。芸能の世界にいる人は、芸を究めることで世の中の人に喜んでもらってナンボであってほしいと思うので、こういう2人、好きだな。


——本当にそうですね。お忙しい中、お時間取っていただき、ありがとうございました! また、なにか機会があったらお願いします。
Ginnan:こちらこそ、ありがとうございました。楽しかったです。長くなってすいません。ジャニーズについてこんなにも語ることがあるとは、自分でも驚きました。好き勝手に書いてしまったので、お気を悪くされた方がいたらごめんなさい。では!!さようなら!!