ハノイの日本人

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海外に出て行くアイドルは丸刈り事件をどう語るべきなのか?

きゃりーぱみゅぱみゅ がフランスの TV 番組で語った「アイドルって結構その、男性に媚びるっていうか、ちょっとこう男ウケを狙ってるんですけど、私がやってることってまったく異性ウケしないことをやっているので。もっとアーティストよりなことをやっています」という発言が話題になっています。これは例の丸刈り事件について聞かれ、自分はアーチストなので恋愛してもそのような謝罪をしなくてもいいと語ったものです。



AKB48丸坊主騒動が海外でも話題!? きゃりーぱみゅぱみゅ仏TV番組に出演…「アイドルは男ウケ狙ってる」とコメント
http://youpouch.com/2013/02/15/106381/
『ワールドツアー「100%KPP WORLD TOUR 2013」でフランスを訪れていたきゃりーさんは、現地のTV番組「Le Petit journal(ル・プチ・ジャーナル)」に出演。その様子を収めた動画が、動画共有サイトYou Tube」にアップされています。峯岸さんの一連の騒動について聞かれたきゃりーさんは「知ってます、知ってます」と応じ、「日本のアイドルって恋愛に関して厳しくて、男性の人が応援してくれている代わりに、プライベートでは恋愛せずにアイドル一筋で頑張るっていう」などと説明。司会者の男性に「あなたはどうなの?」と質問され、「私はアイドルではないので、自由に恋愛もしてます」と答えています。また、「アイドルって結構その、男性に媚びるっていうか、ちょっとこう男ウケを狙ってるんですけど、私がやってることってまったく異性ウケしないことをやっているので。もっとアーティストよりなことをやっています」と、世界各国で熱狂的なファンを獲得しているきゃりーさんらしいコメントも飛び出しました』


丸刈り事件は「彼氏と一緒に泊まったくらいで、彼女はなぜこのような悲惨な目にあわなければならなかったのか?」とフランス人を驚かせたのでしょう。そして、そのタイミングでやって来た 日本のアイドルに直接問いただしたわけです。これは KPP にとってとても美味しい質問でした。私は男性に媚びるあの手のアイドルとは違うのよと切り返したわけです。彼女の評価は上がったことでしょう。



しかし、KPP ファンであり、アイドル大好きの私からすると「困ったなー」というのが正直な感想です。だって、アーチストを名乗る KPP の作品は、男性に媚びた数々のアイドルたちがスタッフやファンと共に築き上げた「アイドル文化遺産」を引用して作られたものも多いからです。今回の新曲『にんじゃりばんばん』だって 小泉今日子ヤマトナデシコ七変化』ですよね? 男性に媚びたアイドルではないと言いつつ、アイドル遺産は美味しくいただく。「搾取」と言われかねない話です。


それとも「アイドル文化遺産」に別の文脈が与えられたことを素直に喜ぶべきなのでしょうか? 実際これまでは喜んできたわけです。私も サンプリングや HIPHOP などのカルチャーを楽しんで来た者です。だから、それらの遺産が過去と切り離されて使われたからと言って、それだけで怒ることはありません。もちろん、使い方によって腹を立てることはあるでしょうけど。しかし、KPP ほど色濃くアイドル文化をベースにした作品を出す者が「私は男性に媚びたアイドルではない」と言うのは、やはり引っかかるのです。



日本でだったらいいんですよ。KPP が無自覚に「私はアーチストだ」と言っても。「なるほどアーチストキャラのアイドルなんだな」って解釈してくれるファンもいます。日本ではアーチストとアイドルの境界はあいまいです。面白ければどちらでもいいと私も思います。でも、海外だとその発言はストレートに受取られます。彼女にアイドルを否定する意図がなかったとしても「アイドルのファンはロリコンで童貞のオタクども」という偏見を強化するでしょう。そうじゃないですよね。日本のアイドルは多種多様ですよ。ファンだって同様です。全部が全部丸刈りを喜ぶわけではありません。


でも、ちょっと待ってくださいよ。フランスには男性に媚びたシンガーはいないのでしょうか? アメリカで人気のセックスシンボル的なタレントを否定しているわけでもないですよね? 質問の意図としては、今回の事件をきっかけに、彼らが日本のアイドルとファンの関係について純粋に興味を持ったということですよね? 疑似恋愛の対象としてだけ、アイドルが語られることこそ問題なのかも知れません。


KPP がアーチストを名乗って海外に出て行くのであれば、もう少し オタク、アイドル、DT、日本の音楽シーン、などについて説明出来てもいいのではないでしょうか? 私としては KPP も含めて、「実力」という言葉に寄りかからないことで多様性を獲得して来た、豊かな日本アイドル・シーンと思っているのですけど。ちょっと、いいように言い過ぎかな?



これから海外に出て行くアイドルたちが自ら発言して行くべきことかも知れないですね。夢眠ねむ道重さゆみ だったらどう答えたのだろう? と言うか、アイドルとファンの関係について、私は説明する言葉を持っているだろうか? 私は握手会に否定的ですけど、だからと言ってそれらを全否定するつもりもないです。でも、それを説明するのは難しいな。特に「恋愛禁止」については難しい。その制約によって活動が維持出来て、活動の継続によってハイ・クオリティな作品が出来上がる。それはそれで事実ですもんね。でも、そのまま語っても理解されないだろうな。これを機会に考えてみます。



◉世界中で大ヒット!監督が語る『きゃりーぱみゅぱみゅ』PVに隠された秘密
http://matome.naver.jp/odai/2133346893314611301
『単純に、きゃりーちゃんが最近アイドルにハマってて、それこそ「ザ・ベストテン」に出てた岡田奈々さん、河合奈保子さんとか。だからそういうのをやりたいっていうことで、そのアイディアをもらって僕が考えたんです』


◉増田セバスチャン 〜HARAJUKU KAWAIIカルチャーの伝道師〜
http://asianbeat.com/ja/icon/m_sebastian.html
『なぜ日本人が海外で高い評価をされないかというと、海外では必ず自分が作った作品に対して言葉で説明できない人は評価の対象にならないってことに気が付きました。サンフランシスコの時は、一か月限定ショップに来てくれたお客さんたちに恩返しをしたいと思ってお店の中でトークショーをしたんですが、店 内に入りきらないほどの人が来てくれて。そこで「なぜ君たちが原宿カルチャーに惹かれているのか」「なぜ君たちが今日ここに来ているのか」を話したら、スタンディングオベーションが鳴り止まなくて。サンフランシスコはアカデミックな話が好きな土地なので、日本オリジナルの原宿カルチャーがなぜどのように生まれたのかという言葉をずっと聞きたくて待っていたと思うんです。カラフルな髪やタトゥーを入れた子が「私はこのファッションに自信を持って良いんだ」とか「なぜ私がブルーの髪をしているのかがやっと分かった」って言って泣いてる子もいて。海外って日本以上にシングルマザーだとか、そういう境遇の人も多くて、それは人知れず皆心の中に抱えてて。その拠り所がファッションだという人も当然居て。原宿はファッションを通して自己主張をする街なので、どんな格好でも偏見無しに大目に見てくれる。アメリカの彼女たちにとっては原宿は聖地に見えるんですよね』


村上隆批判と村上隆自身および東浩紀による反論など
http://togetter.com/li/46163
『叩かれるポイント:1、村上フィギュアはパクリ。2、フィギュアとしての魅力が無い。3、日本のアートとして紹介されるの恥ずかしい。4、これならもっといいフィギュア造形作品があるはず=外人騙してる。この辺ですな。ココの問題でARTの定義が私側(現代美術業界)と批判側ですれ違ってる。しかし、オタク業界の諸君もさんざんもの凄い情報量の集積の上に立った『ハイコンテクストな見方=正当なオタク道』と思ってるんだろうが、だったら我々の現代美術業界にだってそういった集積とハイコンテクストがあるって理解しても良いだろう。(1)』


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◉ジャニーズのトップグループ制と現在のトップ嵐

 http://p.booklog.jp/book/62547

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