ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

アイドル戦国時代はなぜ終わったのか?

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◉Juice=Juice『イジワルしないで抱きしめてよ』。
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20140309/1394357058


 No.19:スマイレージ『プリーズ ミニスカ ポストウーマン』
 ♪ 恋をしてる自覚症状 フリル好む夢見る少女
   Let’s go now 女を上げるチャンス!
   カワユク 程良く 恋するチャンス! 物語が始まる


今回はスマイレージ『プリーズ ミニスカ ポストウーマン』を取り上げます。出だしの歌詞から見てください。めちゃめちゃでしょうw フリル好む少女が女を上げるチャンスってなに? 歌詞だけではどんなふうに歌うのかまず想像がつかないと思います。上の動画を観てもらえればわかると思いますが、カラオケで歌えば狂ったと思われること間違いなしの珍曲ですw


でも、これが素晴らしいんですよ。変なのは間違いないのに、中毒性のある楽曲に仕上がっています。まさにメルヘン花火。キラキラですよ! 楽曲の素晴らしさで定評のあるハロプロの中でも屈指の名曲です。ベスト5・・・に入れたいけど・・・10なら絶対に入れます!


さて、ここで終わってもいいんですけど・・・・「物語が始まる」という歌詞に注目します。スマイレージハロプロで初めて、シングル曲を使って物語を歌ったグループです。ここでスマイレージをよく取り上げるのはストーリーがあって語りやすいからです。


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1971年、CBSソニー酒井政利プロデューサーは南沙織のシングル曲の歌詞で少女の成長を表現するという手法を編み出しました。「私小説路線」と名付けられ、その手法は郷ひろみ山口百恵の楽曲にも採用されています。最初のシングルから歌詞中の人物が徐々に成長して行き、ついには運命の人と出会いセックスを経験するというものです。郷ひろみで言えば『よろしく哀愁』、山口百恵で言えば『夏ひらく青春』がそうです。以下で解説しています。


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◉日本にはなぜこんなにアイドルがたくさんいるのか?
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20130704/1372916736


1977年以降、その手法を継続的に使用しているからこそジャニーズは次々とスターを生み出せるのだと私は書いて来ました。でも、それはいいんです。ここで考えたいのは、どうしてハロプロスマイレージに限ってその手法を採用したかということです。気になって調べてみました。物語の本当のスタートはメジャーデビュー曲『夢見る15歳』でした。なので『プリーズ ミニスカ ポストウーマン』はリスタートの曲です。


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2010年4月 アミューズさくら学院が開校
2010年5月 エイベックスの東京女子流『キラリ☆』でデビュー
2010年5月 スターダストのももいろクローバー『行くぜっ! 怪盗少女』でメジャーデビュー
2010年5月 ハロプロスマイレージ夢見る15歳』でメジャーデビュー
2010年5月 NHKMUSIC JAPAN』でアイドル特集。これ以降「アイドル戦国時代」という言葉が一人歩き?


夢見る15歳』が発売されたあたりのことを調べました。すると「アイドル戦国時代」という言葉に行き当たったのです。『激動! アイドル10年史』(洋泉社刊)というムック本にその言葉が出来た経緯が書かれていました。岡島紳士という方が書かれたこの文章を読んで私は不思議に思ったんです。だって、これ本当に偶然ですか? 以下引用。


 そして5月30日、NHKの音楽番組『MJ』でアイドル特集回が放送される。AKBブレイク以降のグループアイドルシーンの活況を象徴する放送となったこの回の出演者は、AKB48モーニング娘。アイドリング!!!ももいろクローバースマイレージ東京女子流、バニラビーンズの7組と、MCのPerfume。「アイドル戦国時代」という言葉は、このニュースを報じる際にいくつかのメディアで用いられたために拡散し、定着したものだ。(『激動! アイドル10年史』より)


Perfume ブレイク以降でないとこがポイントですよねw 実はこの『MJ』の「アイドル大集合SP」は記者会見まで開いてるんですよ。たった30分ほどの番組なのに! そして、その模様を紹介する記事には「アイドル戦国時代」という言葉がすでにあるのです。つまり「アイドル戦国時代」という言葉も状況も電通によって用意されたものだったということです。なーんだ


NHKMUSIC JAPAN』がアイドル祭り! 女性アイドルグループ特集に要注目!(週刊アスキーPLUS)
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/019/19722/
アイドル戦国時代とも呼ばれる今年、ついにNHKがその合戦場を用意したとも評される今回の『MUSIC JAPAN』だが、ステージ裏では各グループが緊張した面持ちで出番を待っていた。


昨年、AKBライターの方々が「アイドル戦国時代は終わった」と言い出した時、おかしいと思ったんですよ。どういう理由で終わったのかまったくわからなかったので。でも、最初にシナリオを用意した電通が「アイドル戦国時代は終わった」と言ったから終わったのでしょう。納得です。それなら仕方ない。もちろん、電通が終わらせた理由は容易に想像出来ます。ももクロが天下を取りそうだったからです。


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しかし『恋するフォーチュンクッキー』には「未来はそんな悪くないよ」という歌詞がありました。「悪いに決まってるやん!」と思っていた当時の私は不思議に思ったものです。でもすでに電通はスターダストと話をつけていたのでしょう。ももクロ横国ライブは6万人と 48グループよりも少ない動員に配慮され、攻撃的な歌詞もなくなりました。今週の国立も同様です。「♪ スタダと話はつけたし 未来はそんな悪くないよ エヘイヘイ!」その通りの状況が現在もあるわけです。やれやれ