東浩紀さん講師の批評再生塾の課題が「批評を定義せよ」でした。私も書こうとしたのですが、提出できませんでした。理由の一つはお金にまつわることをどうしても外せないと考えたからです。こうやってブログで書いてるだけであれば好きなことを書き散らしてればいいわけです。ですが、商業誌で書くとなれば極力批判めいたことは書かないにこしたことはありません。例えば、前回書いたようなサイゾー批判はもっての外です。
しかし、これが難しい。実は私とサイゾーの因縁はもう10年以上になるのです。ずっとジャニーズが好きでしたし、メディア関係の仕事に就いていたこともありますから、サイゾーの編集者を紹介してあげると言われたことも何度かあるのです。それだけじゃなく、ラジオNIKKEI で働いていたときには、上司が紙媒体のサイゾー編集長に引き合わせてくれたこともありました。でも私はその好意を受けることができなかったんです。だってジャニーズの敵じゃないですか!(当時の話)
サイゾーにはそれだけじゃなく、読者として期待したこともあったんです。1993年にハワイに行ったとき、空港の書店でアメリカの雑誌を買おうといろいろ漁りました。その中で一番気にいったのが『WIRED』でした。デザインのかっこいい雑誌で、タイポグラフィって言うんですかね、記事ごとに違うフォントで構成されててカラフルで。もちろん買いましたよ。まだDTPじゃない時代のことです。その『WIRED』の日本版の編集長が、その雑誌が休刊後に、『噂の真相』の跡を継ぐような雑誌として創刊したのが『サイゾー』だったのです。
創刊号は買ったはずです。でも芸能ゴッシップを中心にした内容にはがっかりしました。その後、現在に至るまで1度も買っていません。ネットメディアのサイゾーに関しては、興味がないわけではありません。例えば、ナタリーよりもサイゾー関係の記事の方を多く読んでいるはずです。玉石混合の面白さはあるんです。でも前回書いたように、かなり酷い記事もあります。著名なライターが書くステマとおぼしき不自然な持ち上げ記事も見かけます。
ジャニーズの批判記事に関しては、的を得たものもあるでしょう。ジャニーズは決して褒められた会社ではないのです。徐々に改善されてきているとは言え、まだまだ批判されてもおかしくない出来事が報道されています。私がずっとジャニーズにこだわってきたのもそのことと無縁ではありません。「そんなジャニーズになぜ惹かれるのか?」ということです。そのことをずっと考えながらここまで来てしまいました。
このブログでジャニーズの文章を書くようになって以降、日常で近づいてくる女性が増えました。中には「ジャニーズ事務所の関係者ではないか?」と思える人たちも何人かいたはずです。ご存知の通りジャニーズファンのネットワークは凄いので、スタッフなのかファンなのか判別がつかない部分はあるのですが。中には職場や旅先で近づいてくる人もいます。ジャニーズファンはどこにもいます。近づいてくる女子が全てハニートラップに思えてきます。ジャニーズの話で盛り上がった場合には、会話だけを楽しみそれ以上にならないように気をつけます。「私、結構いい身体してるって言われるよ」などと言われると、さすがにグラッと来ますが我慢です。
批評再生塾には50名以上の受講生がいますから、いろんな方がおられます。「もしかしたら、この人はサイゾーの関係者なのか?」という方もおられました。でもわかりません。私が尋ねなかったからなのかもしれないですけど。仕事とは関係なく音楽や映画の話をしてるだけで楽しいですしね。現在私は、ハイデガーの本を読みつつ、一方で自分の関心事である天皇制の本を読み続けています。もう一回くらいみんなを驚かせられる文章を書けたらいいなと思ってるんですけどね。それが批評として評価されたのなら言うことないですね。