ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

佐々木敦氏「俺、かえでぃー加入の瞬間の動画を何度観たことか」。

 

いろんなところから「ざわ・・・ざわ・・・」って音が聞こえます。ライブがなくなりハロプロファンの退屈を察してか、南波一海さんによる佐々木敦さんのロングインタビュー3回目がナタリーで公開されました。今回は結構な燃料投下って感じです。反応も凄いのでは? 燃えろ燃えろーw 船木さんの件は私も語りたい。でも「努力は決して無ではない」というのは本当にいいですよね。

それであるとき、アンジュルムの動画を観てたら、船木結が辞めることに対して、「運営はこんな才能がある子を取り逃がしたことを反省しなきゃいけない」みたいなコメントを見つけた。この子はアイドル界に必要だからとか、このグループに必須だから、って思うファンの考え方もわかるけど、俺は全然そういうふうに考えないタイプなんだよね。もちろんそういうファンだって、そのアイドルへの愛やこだわりからそう言ってるのだろうけど、意識として半分運営側というか“仕掛ける側”になってしまってるというか。で、それがともすればある種のアイドルファンが陥ってしまいがちな“上から目線”とつながってるような感じもあって。そういう感性が、辞めたくてもなかなか辞められないという人気メンバーゆえの悲劇を呼んでるという気もする。だから、アイドルの活動は“部活”だと思えばいいんだよ。それこそ、アンジュルムのメンバーが、わちゃわちゃしてるのを見ると、これって要するに女子高の部活だよなって思う。まあ部活よりも年齢差があるんだけど。部活って、絶対に先輩が引退していくわけじゃん。でもその代わりに新入生が入ってくる。アンジュルムならアンジュルムJuice=JuiceだったらJuice=Juiceっていう部活の中に、いろんな子が出入りしていく様子を定点観測していけばいい。俺はそういうふうに勝手に思ってる。今は10代の前半にデビューして10代のうちに引退とか、めっちゃあるじゃん。

 

船木結さんの卒業問題。佐々木さんは「運営はこんな才能がある子を取り逃がしたことを反省しなきゃいけない」みたいなコメントを見つけ、上から目線に近いと言ってます。ですが、ハロプロのファンもわかってるんです。結局はメンバーの意思を尊重して、笑顔で送り出すに決まってるんです。でもそこに至るまでの道として、「クソ事務所!」という道も通るだけです。「クソ事務所!」と思ってなくても言うんです。

 

それに、いまのハロプロってテレビのバラエティで笑いが取れる子がいないんですよ。初期のモーニング娘。なら、誰が出ても面白いくらいの感じはあって、矢口さんとか、藤本さんは今でも活躍されてるわけです。しかし、ももちや道重さんが卒業して、いまは苦しい。唯一行けそうなのが船木結さんだったわけです。なのにアンジュルムに卒業ブームが起こり、毎月誰かの卒業発表があるような状況になりました。なんか変な自意識に囚われてるんじゃないか? ファンには卒業の本当の理由がわからないんです。もちろん本人からいろいろ発言はありますが、それを額面通り受け入れていいのかもわからない。5月中にアンジュルムのツアーが終わり、卒コンが開催される予定だった。しかし、新型肺炎でどうなるかもわからない。

 

 

あと「アイドルは部活」という言葉は使うのが難しくなっています。松山のアイドル、愛の葉Girlsメンバー大本萌景さんが2018年3月に自殺。遺族と所属事務所との間で裁判が行われました。2019年1月には NGT48メンバー山口真帆さんが「太客」と言われるようなファンから暴行を受けた事件を告発、隠蔽しようとした事務所の対応が問題となりました。学校の部活のように大人が守ってくれる存在とは限らない。アイドルには労働基準法も適応されない。そんなことを私たちアイドルファンは知ったわけです。

 

ハロプロはそれらの事務所よりずっと健全だと言われています。実際にそうなのだと私も思います。それでも、メンバーは稼ぐことを義務付けられています。ハロプロには育成システムがあり、優秀な講師陣も揃っています。楽曲を作るのにもお金をかけています。その分、メンバーはお金を稼がなくてはいけません。CDやライブチケットだけでなく、グッズや写真など、メンバー間の競争もあるわけです。そのプレッシャーは結構なものでしょう。テレビ番組やCM で稼げればもっと楽になるかもしれませんが。彼女たちは部員ではなくプロなのです。プロとしてステージに立っています。そして、ファンはグッズなどを買うことでメンバーを支えます。他のメンバーより売れてないとわかれば複数購入もするのです。お金以外でもメンバーの役に立ちたいと思ったファンは、それこそ Youtube に動画を上げてメンバーの宣伝をするかもしれません。アドバイスして嫌がられもするでしょう。ちなみに、ハロプロ新型肺炎以前から「脱握手」に方向転換していました。この辺りは世界の空気を察するハロプロの凄みを感じさせます。

 

アイドルを好きになることは、それ自体罪なのではないかとも思うことがあります。自分の人生をなんとか楽しく回すためにアイドルを生贄にしているとか。新海誠監督が言うように、それでも間違いを選択するしかないのかも。もしかしたら、そういう全てをわかった上でも佐々木さんの言うように「アイドルは部活」という優しい視線で観ればいいのかもしれません。でも、それはそれで今度はアイドルサイドが「私ってそんなに軽い存在だったの?」と思うかも。基本的には「もっと私を観て!」と思ってる人たちなんだから。ファンのほとんどみんな卒業するメンバーの幸せを祈ってると思います。今回の新型肺炎でライブが中止になり、アイドルもファンもお互いの大切さについて、改めて気づかされたんだと思います。私は本当にそう思っています。やっぱりこの曲を聴いておこう。