ハノイの日本人

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白井聡「武器としての『資本論』」を読んだ。

 

白井聡と言えば、今はなんと言っても「(ユーミン)早く死んだ方がいい」の人です。安倍総理の辞任意向表明会見を観たユーミンが「涙が出た」とツイートしたのを観て、白井さんはそう呟いたわけです。これが大炎上。袋叩きにあっています。でもさあ、国民が首相の悪口言うのなんて当たり前でしょう。しかも国民そっちのけでばら撒き政治だけをやって来たんだから。数年内にまた増税しますよ。消費税15%になってから泣けばいいのに。ユーミンはお金持ちだけどね。

 

武器としての「資本論」

武器としての「資本論」

 

 

そう、マルクスの『資本論』ですよ。私も何度かチャレンジしています。でも難しい。だけどアイドルの文章書くなら読んだ方がいいと、いろんな人からアドバイスをもらいました。ずっと重石のようにマルクスというワードがあったんです。そこで白井さんのこの本です。『武器としての「資本論」』。初めてちゃんと読めました。わかりやすく書いてある。もう「白井先生!」と呼びたいくらいです。もっとしっかり理解するために、書かれている内容を紹介します。ユーミンも読んでくれ!

 

まず「資本主義」とは何か? 白井さんは「資本制」と書かれていますが、「物質代謝の大半を商品の生産・流通(交換)・消費を通じて行う社会」であり、「商品による商品の生産が行われる社会」とまとめられています。こう書かれてもよくわかりませんよね。さらに説明がされます。それは、例えば賃労働を考えればわかりやすい。資本家が労働者の労働力(商品)を買って来て、何らかの商品をつくり、それを市場で売る。それが「商品による商品の生産」ということです。私たち資本を持たない民は、労働力を売るしかないわけです。

 

じゃあ、日本において「人生がつまらない」と思ってる人が多いのはなぜか? 資本の目的は人々が幸せになることではありません。増えることそのものが資本の目的なのです。イノベーションが必要とか言いますが、競争ばっかりさせられて、少しも楽にはならないのです。だから、剰余価値の生産のために、結局は労働者を安く使うしかありません。

 

フォーディズムという言葉がありますが、1910年代にはフォードに代表される資本家が、自動車を買えるような消費者をつくるため、高い賃金を支払う方向に転換した。消費者の増加によってアメリカは飛躍的に経済発展したわけです。そのモデルが先進国に広がりました。しかし、ポスト・フォーディズムの時代には、労働者に与えられた既得権が取り上げられたのです。階級闘争は、かつては労働者階級が資本家に対して要求するものでした。しかし、現在では資本家が労働者の利益を奪う方向で行われている。労働賃金はいつまで経っても上がらない。日本の労働者が疲弊してるのはそのせいです。

 

世の中では「労働者としての価値を高めるためにはスキルアップが必要」と言われる。しかし、白井さんは「それは全然違う」と主張されています。マルクスに立ち戻って言えば、スキルアップによって高まるのは労働力の使用価値の次元であると。でも資本に奉仕する能力によって人の価値を決めてはならない。人間の基礎価値を信じるべきだと書かれています。

 

「そうは言っても働かないと食っていけない」そう思う人も多いでしょう。それでも自分が苦しい理由を知っているだけで違う考え方ができるものです。私もこの本をステップに『資本論』に再度チャレンジしたいと思っています。