ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

トランプ詐欺にご飯をたべさせてもらう。

私の場合、移動ではたいがいバイクタクシーを使っています。でも、雨の日は普通のタクシーを使うことになります。タクシーはエアコンがきいてるから快適だし、安全性も高いとは思います。ですが、ときどき料金メーターが高速で上がって行くタクシーに当たることがあるのです。これ、どれだけの恐怖だかわかるでしょうか? 最初に出会ったときは本当に冷汗がでましたよ。まあ、慣れればなんてことないんですよ。だって、高いと言っても千円しないんだから。それでも、やっぱり嫌ですよね。


きょう、ぼったくりタクシーの見分け方を教えてもらいました。なんと、悪名高き「トランプ詐欺」のひとたちに。「地球の歩き方」に書いてあったけど、トランプ詐欺って本当にやってるんですね。


お昼前のこと、部屋探しの情報を集めるために日本料理店に行こうとホアンキエム湖のあたりを歩いていました。店の掲示板にそういった情報が貼られていることがよくあるのです。しばらくすると、フィリピン人姉妹に話しかけられました。年齢は30代後半と40代前半くらいでしょうか? 最初は「その水はどこで買った?」みたいなことから、次第に「なにしにハノイに来ている?」みたいな話へ。そして、姉の方が言いました。「私の妹が埼玉大学に留学する、ぜひ、妹に会って日本の情報を教えてほしい。私たちのホテルはここから5分ほどだから」と。ピンと来ました。これは有名な「トランプ詐欺」じゃないかって!


頭の中で私はあらゆる場面を想定します。その間5秒。「潜入取材する?」「当然じゃないですか!」。彼女たちが言いました「妹が本当に喜びます!」。そこからタクシーに乗せられました。タクシーを捕まえるときに姉が言いました。「小さいタクシーと、制服を着ていないタクシーに乗ったらダメよ。メーターが凄い勢いで上がるから」。ほう、そんな見分け方があったのですか! 詐欺のことなら詐欺師に聞くのが一番ですね。危ない橋を渡った甲斐があったってもんですよ。


でも、ちょっと怖かったです。遠くまで連れて行かれたらヤバいですもんね。ですが、遠くまで行くようなら、タクシーから降りたときに逃げ出そうと判断して、捜査を続行です。彼女らのアジトはハノイタワーの近くの小さなホテルでした。安心しました。場所が特定できるということは、そんなに酷い目にはあわないだろうと想像できたからです。


そのホテルは外からは休業しているみたいに見えました。どうやら長期滞在者用のようです。部屋にキッチンがありました。奥の部屋からは妹がでてくるはずもなく、弟だという男がでてきました。ニヤけた怪しい男です。ここでも、少し安心しました。男は小柄で、腕力でどうにかしようという感じはなかったからです。そこで私は食事をだしてもらいました。ごはんとおかずはエビのゆでたのと、鶏の肉じゃがみたいのです。おいしかったのです。ですが、なかなか楽しく食べれません。弟がいろいろ話しかけてくるからです。しまいには 長渕剛 の「乾杯」を歌いだしました。和まそうとしたのでしょうか? 姉も一緒に合唱です。めちゃめちゃ怖っかったです。


そして、だんだん話が怪しくなってきます。弟は41歳でいろんなビジネスの経験があるそうです。お前にも金持ちになって欲しいとかなんとか。そして、来ました! 弟は言ったんです!


「私はある大きな船のカジノでディーラーをしている。お前に100%勝たせてやるから今夜行こう!」「いまから方法をここで見せてやる。本当は仲間だとわかるまでは教えないんだぞ」ついに、トランプも登場しました。本当にあるんだなー、トランプ詐欺。次回、「トランプ詐欺 脱出編」。