ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

宮崎駿の講演。

私は宮崎アニメをそれほど好きではありません。「となりのトトロ」すら見ていなかったりします。見れば、「凄いなあ」と思ったりもするのですが、特に感動した記憶もありません。「千と千尋の神隠し」を見たときの感想は、「ああ、教育的なんだなあ」というものでした。


ですが、宮崎監督のインタビューは非常に面白いと思っています。インタビュー本も買ったことがあります。例えば、「千と千尋」については、ジブリの若いスタッフから、「キャバクラになぜ行くのか?」という話を聞き、風俗をテーマにしようと考えたのがスタートだとそこで語っていました。オタクであるその人は、キャバクラの女の子と話すことで、コミュニケーションの練習になると語ったそうです。


これは外国人記者への講演のようですが、やはり面白いことを語っていますよ。町山智浩さんが「千と千尋」について書いた文章も下に貼っておきます。


◉悪人を倒せば世界が平和になるという映画は作らない——宮崎駿監督、映画哲学を語る(前編)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0811/27/news004.html
『この国に立ち込めている不安や将来に対する悲観的な考え方は、実は子どもたちには全く関係ないことなのです。つまり、この国が一番やらないといけないことは、内部需要を拡大するための橋を造ったり、道路を造ったりすることではなく、この子どもたちのための環境を整えること。常識的な教育論や日本の政府が言っているようなくだらないようなことではなくて、ナショナリズムからも解放されて、もっと子どもたちの能力を信じて、その力を引き出す努力を日本が内部需要の拡大のためにやれば、この国は大した国になると信じてます』


◉「千と千尋」はなぜ「湯女」なのか(町山智浩
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040314
宮崎駿の『千と千尋の神隠し』に関しては柳下毅一郎の対談本『映画欠席裁判』その他で書いてきたとおり、娼館を舞台にした物語である。しかし、そう指摘されると怒る人が多いんだ、これがまた。(中略)実は風俗うんぬんはオイラたちが最初に指摘したわけではない。最初に言ったのは、宮崎監督本人である。日本版『プレミア』の2001年6月21日号での『千と千尋』についてのインタビューで、どうして今回はこういう話にしたのかと質問された監督はこう答えている。「今の世界として描くには何がいちばんふさわしいかと言えば、それは風俗産業だと思うんですよ。日本はすべて風俗産業みたいな社会になってるじゃないですか」以下、宮崎監督はえんえんと日本の性風俗について語るのだが、要約すると、『千と千尋』は、現代の少女をとりまく現実をアニメで象徴させようとしたので、性風俗産業の話になった、と監督は言っている』