ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

おめでとう! 宮沢りえさん。

宮沢りえさんが、きょう、妊娠と結婚を発表されました。おめでとうございます(でも、家庭にオリジナリティーは必要なのでしょうか…)。この機会に私とりえさんのご縁(と言うほどの物では全然ありませんが)について、書いておきたいと思います。



宮沢りえ:妊娠を発表「オリジナリティーあふれる家庭に」
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20090213mog00m200062000c.html?link_id=RAH01
『突然、このような形でのご報告を驚かれる方も多いと思いますが、私の大きな夢でもあった、赤ちゃんを授かりました。一昨年の終わりに知り合った彼と、只今6か月の小さな命と共に、喜びや戸惑いを何倍にも感じながら毎日を重ねられるのは、支えてくれる人たちの大きなエネルギーがあるからだと感じています』


私が大学生のとき、2ヶ月ほどヨーロッパを旅していました。あるとき、パリのユースホテルで日本人バックパッカーの1人が「私が本当のりえママだ」というチラシを、ロンドンのハイドパークで受け取ったという話をはじめました。ちょうど、貴乃花横綱昇進を決定づける優勝を決めた日だったはずです。彼は現物は捨ててしまったそうですが、やさしそうな日本人のおばさんから受け取ったそうです。もちろん、ただの頭のおかしい人かも知れないと言ってましたが。


パリ最終日となった次の日、私はサンジェルマン・デ・プレできれいな色のジャケットを見つけました。店名は忘れましたが、店の前で写真を撮ってた女性に「有名なお店なんですか?」と聞いたところ、「もちろん、有名よ。日本で買うより安いから買ったら?」と教えてもらいました。それでも高額だったので、小道をふらふらと歩きながら悩んでいました。すると、前方からなにやらもの凄い物がこちらに向かってくるのを感じました。そんな経験は初めてでした。私はあまり目がよくないので、だいぶ近くになるまでそれが何であるのかわかりませんでした。そうです、その凄い物が宮沢りえだったのです。


私とりえさんは狭い歩道を、軽く会釈しながら、お互い譲り合うようにすれ違いました。後ろには、りえママと、お付きらしい初老の男性が一緒でした。りえさんは、これまでに見たことがないくらい美しい人でした。まさに、スターでした。それでいて、かわいらしい存在感を持っていることに心を打たれました。私は一目で好きになってしまいました。そして、立ち止まり、「どうしよう?」と考えました。もうジャケットのことなんて、どうでもよくなっていました。


しかし、「どうしよう?」もクソも、どうすることもできません。ストーカーするわけにもいかないでしょう。それでも、やはり追いかけました。大通りに出たところで追いつき、「すいません。宮沢りえさんの大ファンです。すぐに立ち去りますから、握手だけしてもらえませんか?」とお願いしました。なんとなく、様子を伺うようにりえママを確認しました。りえさんもそうでしたが、りえママも、とてもやさしい笑顔をしてくれました。さすがです。私はりえさんと握手をして、すぐに「ありがとうございました!」と言って走り去りました。


たったそれだけのことです。それだけだったのですが、とても素晴らしい体験でした。行き当たりばったりの私の人生にも、こんな素晴らしい出来事が起こり得るのだと感じたのです。奇跡は起こるのです。日本に帰ったら、春から働くことになる会社で研修を受けなくてはなりませんでした。その不安もあって、旅行中から徐々に憂鬱が迫ってくるのを感じていました。ですが、このりえさんとの体験で、これからの人生が素晴らしいものになるような気がしたのです。ホテルに戻り、同室の日本人を誘って、韓国料理屋の焼き肉を食べに行きました。もちろん、私の奢りです。最高の1日でした。


その後、働き出した会社ではさんざんな目に遭いました。やっぱり人生、行き当たりばったりではダメなようです。しかし、私はいまだにそんな人生を送っています。そして、あんまりうまく行っていません。でも、だからってそんなに悪いもんでもないとも思っています。こんな人生をだらだらと続けて行くのでしょう。宮沢りえさん、お幸せに。おわり。