ハノイの日本人

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経済成長は必要だけど、、、

O さんに先月送ってもらった『経済成長って何で必要なんだろう?』を何度も見返しています。経済学の先生である飯田泰之さんが、エコノミスト岡田靖さん、ライターの赤木智弘さん、社会運動家湯浅誠さんと対談されています。これを読めば、いまの日本の経済の停滞が、日銀の金融政策失敗のせいで起こっていることがよく理解ですきます。しかも、案外簡単に成長に転じることが可能のようです。もし私たち国民に負担がかからず、経済成長が可能であるなら素晴らしいことだと思うんですけど。どうですか?


◉『経済成長って何で必要なんだろう』のamazon書評(こら!たまには研究しろ!!飯田泰之
http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090812
『経済成長=付加価値生産の拡大であることを忘れてはいけません.先進国の経済成長は「給料が2倍になって米を2倍食うようになる」という成長ではない.「マクドナルドではなく自然食レストランでランチを食べるようになる」「パイプ椅子じゃなくてディーティカなりなんなりの椅子に座るようになる」……あくまで質の向上です.パイプ椅子から腰痛にいい椅子に変えた,PCの利便性が上がったことによって石油消費が増えたりCO2が排出されたりしません.また,いままでより少ないエネルギーで同じ商品を生産できるようになると(同じ価格で売れるなら)付加価値部分が大きくなって付加価値は成長(つまりは経済成長)します』


経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)


だったら、なぜ「経済成長」に対する嫌悪感が蔓延しているのでしょうか? 蔓延してますよね? それを打破するためにこの本は書かれたはずですから。で、「嫌悪感」の正体についてこの本の中で語られているのは、湯浅誠さんとの対談中の177 ページだと思います。以下、引用。


飯田:先ほど「溜め」を失わせた原因として「新自由主義」という話がありましたが、湯浅さんは、この言葉でどういったものをイメージされますか?
湯浅:ストップウォッチですかね。ウォルマート西友と提携したとき、ウォルマートの社長が来て最初にやったのが、売場に出て、ストップウォッチでこの作業に何秒かかるかを計ることだったという報道があって、結局これなんだなと思いました。どの現場でも、徐々にストップウォッチが速くなっている。


日本にも「経済成長」がみんなの幸福につながると思えたよき時代もありました。実際、多くの場合そうだったからでしょう。でも、いまでは「経済成長」の犠牲にはなりたくないと考える人の方が多いようです。会社に行くのがツラいのは、「経済成長」の犠牲になっているせいかどうかはわかりません(たぶん、経済成長が疎外されているせいで状況は酷くなっていると書かれていると思います)。でも、それは別にしても、ストップウォッチを一旦仕舞ってもらいたいわけです。一日中監視されているような状況にウンザリしているわけです。本書ではさらっと流されていましたが、この「凝り」をほぐす必要があるのではないでしょうか? 「合理化」とか「改善」とか、あまりにも行き過ぎてしまった結果が「経済成長」への嫌悪に繋がっていると私は思うんですよ。どうでしょうか?


この文章を書いているうちに「もう十分だろう、いい加減忍を休ませてやれ。これからは二人で静かに時を過ごす。オレ達はもう飽きたんだ。お前らは、また別の敵を見つけ、戦い続けるがいい。」という『幽遊白書』のセリフを思い出しました。そう言えば、『日本沈没』でもエラい先生方が集まってだした結論のひとつに、「なにもしないでこのまま沈む」ってのがあったなw 
 

◉ラジオウィークはじまるよ(こら!たまには研究しろ!!飯田泰之
http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090814
『昨年もお邪魔させていただいたTBSラジオのLifeから.16日のテーマは「Life政策審議会」とのこと.若者に必要な政策は何か.リスナーの望む政策は実現可能なものなのか……Lifeのみなさんと社会学者の樋口明彦さん,そして僕で語っていきたいと思います』