ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

『トウキョウソナタ』を観た。

黒沢清監督の『トウキョウソナタ』のDVD を旧市街で買って来ました。実は3ヶ月くらい前にも買って来たんですけど、そのときは中身が『 tokyo.sora 』(2002年公開)という別の映画だったんです。これがまた見事にツマらない映画で、ストーリーを簡単に説明すると、No.1キャバ嬢の井川遥にやっと友達ができて、酒飲んで盛り上がって下着姿で街を疾走、そして、車に轢かれて死ぬ、、、そんな感じです。東京で暮らす女性のありふれた日常を、、、うんたらかんたらって映画です。



それに比べて『トウキョウソナタ』の本物は素晴らしかったですよ。こちらも、いまの日本のありふれた風景と言えなくもないですけど、緊張感がまったく違いました。監督は「今回はホラーじゃないので…」と言ってるようですけど、私はホラー見てるみたいに「やめてー!!!」と何度も叫びました。リストラにあったお父さんたちが家族にそのことを隠してるんですけど、それが痛過ぎて、こっちにも突き刺さってくるんです。もう、出てくる人たち全員が不幸で、「日本はどうなってんの?」と今更ながら驚きます。ポルノでも作ればいいのに(これはきのう観たアメリカ映画の話)。



あの最後を見せられたからって、とてもハッピーエンドとは思えないですよね。特にゆっくりと沈んで行く船を表現したあのシーンは凄かったな。マジで引きずり込まれそう。怖かった! ちょうど動画の静止画像が、そのシーンです。ありふれた題材で、見事にいまの日本の状況を切り取ってみせる。凄腕ですよ。とても面白かった! しかし、『呪怨』といい、『トウキョウソナタ』といい、日本人にとって家はそんなにも特別なもんなんですかね?