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課長 島耕作で本を作ろうかと… 1

仕事を辞めて暇なので本を作ろうと考えました。いくつか考えているのですが、そのうちひとつが『課長 島耕作』です。このマンガは松下電器産業を舞台にしているので、連載当時の日本経済の雰囲気が保存されていると考えました。それをネタにわいわい話す本です。blog の肥やしになってしまうかもしれませんが、わかったことを書いて行きます。しかし、この動画、、、き、きもい、、、



『課長 島耕作』は当初は連載マンガではなかったようです。週刊『モーニング』 1983年6号に第1回が掲載され、それは 30ページの読み切りでした。その後も不定期に掲載され、単行本は1985年6月に発売されています。主人公は言わずと知れた島耕作ですが、第1回目には「初芝」という会社名がありませんでした。以下のような紹介がされています。


島 耕作 34歳 大手電器メーカー 営業本部販売助成部 宣伝課係長


ストーリーは、3ヶ月後に課長に昇進する 島耕作 が、優秀かつ協調性のない入社2年目のかわいい女子社員に振り回されるというものでした。そして、その女性社員が島を愛し、ホテルでセックスをします。ただ、この頃の島はまだ不倫に慣れていないらしく、かなり慌てて「忘れよう! きみ 今日のことはなかったことにしよう! な! 忘れよう!」とテンパリます。実は当初の『課長 島耕作』は、30代後半、働き盛りのサラリーマンの不倫を題材にしたマンガだったようです。


この1巻には大きく7つのストーリーが入っているのですが、そのうち5つはそれぞれ別の女性との不倫です。相手は順に「入社2年目の社員」「就職活動中の大学生」「仕事先の人に頼まれてその人の奥さんと」「勤続10年の出納係」「ニューヨークでアイリーンと」という感じです。弘兼憲史という人は根っからのストーリーテラーなんでしょう。不倫がバレるかバレないかハラハラさせながら、さすがの展開力で読ませます。


7つのうち5つまで書きました。残り2つのストーリーですが、1つは「家庭か仕事か?」で仕事を取って奥さんと不仲になる話。まあ、これも不倫を題材にした話と言えるでしょう。では、残りひとつはなにか? 島耕作は宣伝課の課長です。つまり、広告を取り扱う部署です。80年代の広告で一番のスターと言えば誰でしょうか? 「1行 100万円」と言われた男 糸井重里です。彼をモデルにした人物が弱小デザイン会社の部長として登場します。しかも、ゴルフコンペで手を使って優勝しますw なにか気に入らなかったのでしょう。ま、それ以外のストーリーはすべて不倫がらみです。


これまで『課長 島耕作』について私は以下のように思っていました。日本が世界に誇る家電メーカーで、自分を曲げずに出世して行く男をヒーローにしたマンガだと。だから、女にモテるのはヒーローの一要素ぐらいにしか考えていなかったのです。都合良く女が現れ、そして島耕作に惚れ、すべての仕事がうまく行く。ずいぶん都合のいい話だとは思っていましたが。しかし、逆だったのです。テーマは出世ではありません。年を取ってからの恋愛だったのです。恋愛のシチュエーションを変えるために出世も必要だったわけです。本当か?(つづく)