ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

2006年 ドイツ ワールドカップ。中編2

いよいよ 日本代表の初戦の オーストラリア戦 です。ゴール裏で応援しました。少し興奮気味で立って応援してたんですけど、すぐに係員に座れと指示されました。ウルトラス は最後方で応援していました。「観戦の邪魔になる」といつも苦情を受けるので、最後方に集合し応援しているそうです。前半の26分、中村がゴール前に上げたクロスがそのままゴールに吸い込まれました。なにが起こったかわからなかったんですけど、得点が認められたので大騒ぎしました。



そこまでの日本はよくやっていました。チャンスも作っていました。同じくらいオーストラリアもチャンスを作っていましたが、この日の 川口 はあたっており、ことごとくセーブしていたんです。ですが、1点取ったからと言って安心できる状況にも見えませんでした。特に 中村俊輔 は相手に激しく削られ動きが落ちたように見えました。何度かあった決定的なチャンスを決められなかったことが悔やまれました。後半に入ってからは、例のごとく ヒディング 監督がフレッシュな選手をつぎつぎ送り込んできました。相手の勢いを止めるために、2002年だったら 戸田 のような選手、このときなら 稲本 の投入を願いました。しかし、残り10分になって投入されたのは攻撃で力を発揮する 小野伸二 でした。そこからは悪夢でした。立て続けに3ゴールされたんです。


試合終了とともに怒りが込み上げてきました。同行者との待ち合わせの場所まで行くと、直前に開催したサッカーのトークイベントでお世話になった えのきどいちろうさん と遭遇しました。呆然とした状態だった私たちは言葉少なく試合の感想を述べ合いました。えのきどさんは「周りの人たちはあんまりショックを受けてないね」私「ジーコの采配ミスですよね」「立て直すのも難しそうだね」「ですね」それ以上は会話が続きませんでした。それまで、肝心な試合となれば選手は頑張りを見せ、必ず結果をだしてくれると信じていました。しかし、ワールドカップという舞台は本当の真剣勝負だったのです。甘さのあるチームが決勝トーナメントに進むことはないのでした。


混雑のなか同行者とやっと出会い、駅に向かおうとしたのですが、私の気分が悪くなり途中のカフェで休憩することになりました。ですが、カフェでは なぜか チェリーパイ を食べたのを覚えていますw 急に甘いものが食べたくなったんですw いまの試合でなにが起こったのかを反芻していたのですが、結局よくわかりませんでした。カフェの出口付近で セルティック・サポーター のおじさんが「わかるぞ」って感じで頷いてきました。「ああ、中村 の応援をしに来てくれたんだ」と気づいて、私も小さく頭を下げました。フランクフルトへの帰りの列車では、その場に居合わせたサポーターたちと語り合いました。日本人女子に オーストラリア・サポ が話しかけていました。これほどムカつく状況もありません。私も2人組のかわいい女子と知り合ったのですが、どうしても「このあと食事でもどう?」という気分にはなりませんでした。


そこからの旅は辛かったです。同行者には迷惑をかけたと思います。とりあえず、気分を変えるために ベルリン に移動しました。スウェーデン VS パラグアイ を観に行ったのです。会場は 1936年のベルリン・オリンピックのために作られた オリンピアシュタディオン で行われます。ジダン が決勝で頭突きしたスタジアムです。ここは写真で見ても美しいスタジアムだとわかります。ヒトラー総統 が作らせたスタジアムです。ですが、やはりチケットが5万円ほどと高く私は見送ることにしました。一方で同行者には強く観戦することを薦めました。せっかくのヨーロッパでのワールドカップです。アジア同士の試合だけ観て帰るのはもったいないと思ったのです。たぶん、今は観てよかったと思われていることでしょう。私は 競技場に併設されているミュージアムに次の日行きました。



もう後がない クロアチア戦、今度は入れ替わりでやってきた友人たちと合流しました。釜山で一緒だった2人です。しかし、今回2人は嫁さんを連れて来ていました。しかも片方は新婚さんです。「私は邪魔なんじゃないの?」と思いつつ御一緒しました。チケットは会場周辺で入手しました。ダフ屋に嫌悪感を示す人たちもいますが、サッカーでは必要悪と言われています。「正規ルートで入手できなかったから観ない」とはならないのです。観ると決めたら観るんです。2万円ほどでした。このチケット、バックスタンドの中央から少し日本ホームよりという絶好の席でした。周りには 小宮悦子さんを筆頭とした テレ朝グループ、『美味しんぼ』原作者・雁屋哲奥田民生親子などが目撃できました。しかし、この日は暑かった! 座ってるだけでバテそうでした。でも、そんなことは言ってられません。今日、勝てなかったらほぼ終わりです。気合いを入れて応援しようと意気込んでいました。
 

ジーコの「テレビ局がそれを望んでいる以上仕方がない」発言の意味は?(神保哲生
http://www.jimbo.tv/commentary/000272.php
『ワールドカップクロアチア戦の直後の共同インタビューでジーコが、「2試合連続で炎天下での試合になったのは、日本にとっては厳しい条件となった。しかし、テレビがそれを望んでいる以上仕方がない。」と語っていましたが、なぜか日本の通訳(テレビ朝日)はその部分だけ訳しませんでした』
 


日本も決定機を外していましたが、クロアチアも似たようなものでした。コンディションの悪いチーム同士の対戦でした。ですが、中盤のパスのスピードでは完全に負けていた気がするので、0−0はまあしょうがないかとも思いました。柳沢のこれは、たしかに決めてほしいですよねw 私はオーストラリア戦でどん底まで落ちていたので、周りの友人たちよりはこの結果に対してポジティブに受けとめていました。悪いのは第1戦で、この試合は 日本 が初めてアウェイ で勝ち点を挙げた試合なんだから、全否定することもないでしょうと言ってました。しかし、勝たなければいけない試合でした。これで首の皮一枚を残して3戦目に懸けることとなりました。相手はあの ブラジル です。(つづく)