ハノイの日本人

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今回のキリンカップを解説してもらう。

今回の2試合がどういうものだったかを理解しようと思い、解説者の方々の文章をじっくり読んでみました。ザッケローニ監督の代名詞「3−4−3」。代名詞ってくらいですから、監督の一番やりたい戦術なんですよね。なので、今後を占う意味でも重要な2試合だったようです。まずはポジティブな印象を持たれた 浅田直樹さん。『「縦へのテンポアップ」に関して言えば、歴代の日本代表のなかでも屈指』とまで言われています。


◉肝心なのは中身。3−4−3システムより重要な“ザックの哲学”の浸透(浅田直樹)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110608-00000303-sportiva-socc
『3−4−3一色。今年のキリンカップをひと言で言い表わすと、そういうことになる。ザッケローニ監督の代名詞とも言うべき3−4−3が、日本代表においても機能するのか。すべての注目が、その一点に集まったと言っても差し支えないだろう。(中略)「縦へのテンポアップ」に関して言えば、歴代の日本代表のなかでも屈指ではないだろうか。このところの日本代表の攻撃というのは、「ボールを大事にする」という意識があまりに優先されすぎた。つまり、サイドで攻撃がつまったときには、無理せず横パスをつないでやり直せばいい、という発想である。その結果、いつまでも横パスをつなぐばかりで、なかなかボールが前に進まないという現象が頻繁に見られた。岡田武史監督時代はもちろん、ジーコ監督時代にしてもそうだ。しかし、ザックはそうしたプレイをよしとしない。伊野波は言う。「例えば、右から左へ1回サイドを変えると、全体がスライドする分、みんな体力も使う。そこでつまったからといって、もう1回サイドを変えるときつい。だから、1回サイドを変えたら、そこから縦に攻撃のテンポを上げていこう。そういう意識付けをしている」 もちろん、これは3−4−3に限った話ではない。主戦システムとなる4−2−3−1にも当然生かされる意識であり、今後ザックが考えるサッカーがピッチ上で展開されるかどうかのカギでもある』


次に 後藤健生さん。「3−4−3」はこのメンバーに合っていないのではないか?という指摘のようです。特に 内田については「1対1に絶対の自信があるタイプの選手ではない」ことを理由に、まったく使われない可能性も出て来ると言われています。「3−4−3」に関してはかなり否定的で「新戦術を持ち込んできた外国人コーチとして、批判の対象として見ていかなくてはならない」と結論されています。


◉ついに本性を表した?ザッケローニ監督 2試合を3-4-3の習得に充てたキリンカップ後藤健生
http://www.jsports.co.jp/press/column/article/N2011060800590302.html
『このシステムの大きなポイントとなるのが、3人のDFの左右のストッパーだ。守備面では、センターバックとして相手のクロスやロングボールを跳ね返しつづけなければならないし、同時に相手がサイドから攻めてきた場合にはスライドしてサイドバックとしての守備が要求される。さらに、攻めに転じたときには、攻撃に上がったアウトサイドのMFの後ろのスペースをカバーし、さらにパスをつないでビルドアップにも参加しなければならないのだ。もし、このポジションの選手がその役割を果たせなかったら、3-4-3は機能しないどころか弱点だらけのシステムということになってしまう。伊野波雅彦はペルー戦に続いて及第点だったろう。MFの遠藤が左サイドに開くパスを伊野波が受けて、前を駆け上がる長友にパスを当てる場面が何度か作れていた。伊野波は、もともとセンターバックだが、代表ではサイドバックでも使われることもある選手である。右のポジションには、ペルー戦では栗原勇蔵が、そしてチェコ戦では吉田麻也が起用された。どちらもセンターバックであり、サイドでのプレーは不安そうだった。つまり、この3-4-3システムが機能するか否かは、センターバックとしてもサイドバックとしてもプレーできるDFを発掘すること。そして、両サイドMFにどういう選手を起用するかにかかっているのだ(さらに言うならば、内田はサイドMFとしても、センターバックとしても使えなくなってしまう可能性が高い)』
『日本では、サッカーをシステムで語ることが大流行である。だが、バルセロナが強いのは、彼らが4-3-3で戦っているからではない。シャビ、イニセスタ、メッシがいるからである。そして、彼らを効率的に並べると4-3-3になる。あるいは、4-3-3に相応しい選手を育てたり、集めたりしたからなのだ。代表チームの場合は、たとえば3-4-3に合った選手を「育てる」ことはできないが、それに相応しい選手を「集める」ことはできる。もし、日本中探してもそういう選手がいなかったとしたら、3-4-3は諦めるしかない。その点から言えば、内田と長友を活用し、2列目やサイドの豊富な人材を無駄なく使うには、やはり4-2-3-1ということになると思うのだが……。(中略)ザッケローニアジアカップまで前監督のスタイルを踏襲し、選手たちの意見も取り入れながらチーム作りをした。きわめて忍耐強かったと言っていいだろう。一言で言えば、これまでのザッケローニは「良い人」だった。だが、ついに自らのトレードマークである3-4-3を強烈に主張はじめたのだ。これからは、見守るわれわれも、ザッケローニ人間性(善人)を語るだけでなく、新戦術を持ち込んできた外国人コーチとして、批判の対象として見ていかなくてはならない』


最後に一番酷評されている 杉山茂樹さん。杉山さんはサッカーファンの意識を向上させるために、読み手を挑発する文章をいつも書かれています。わかりやすい文章でもあり、私は決して嫌いではありません。でも今回は「ブーイングは沸かなかった」「(監督に)反省の様子は見られなかった。舐められている気がするのは僕だけだろうか。日本のメディアは甘い」と書かれています。そこまで言うのなら、杉山さん自身が会見でなぜ突っ込まなかったのか? だからこそ「舐められている」のではないのでしょうか?


◉お粗末だった「伝家の宝刀」(杉山茂樹
http://blog.livedoor.jp/sugicc402/archives/3787412.html
『僕の目には、あと30分試合時間があっても、ゴールが決まりそうには見えなかった。つまり、ザックジャパンが、良いサッカーをしているようには見えなかった。3—4—3にトライするのはいいと思う。拍手を送りたくなるが、中身はお粗末。人前でお金を取ってご披露するレベルには、とてもではないが達していない。紅白戦等で使える目処が立ってからにすべきだと思う。それでも「シュートは11本打った」と、ザッケローニは胸を張った。反省の様子は見られなかった。舐められている気がするのは僕だけだろうか。日本のメディアは甘い。ちょっとやそっとの失敗では叩かない。そうした安心感が、ザッケローニにはあると思う』