ハノイの日本人

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もう少しウズベキスタン戦について考える。本田不在は致命的なのか?

ウズベキスタン戦の話の前に、なでしこについての後藤さんの文章から。そうか、ロンドン・オリンピック自体が(決勝まで行くと)中2日で6連戦なのか。酷いな(でも、観戦旅行はしやすいのか?)。じゃあ、本番を見据えて、今回のような日程になったとも言えるのかな?


◉五輪切符獲得!バックアップ選手の育成本大会への課題(後藤健生
http://www.jsports.co.jp/press/column/article/N2011090911550702.html
『2006年のドイツ・ワールドカップに出場した男子代表は、事前のJヴィレッジ合宿から、ほとんどのトレーニングが公開され、やはり連日大勢の見物客でにぎわった。結局、ワールドカップ本大会ではコンディション不良の中での戦いとなって、1分2敗の成績で敗退してしまったのだ。 だから、「なでしこジャパン」の調整が難しいだろうというのは十分に予想できたことだ。「どうして佐々木則夫監督は、こんなやり方をするんだろう?」僕は不思議だった。だが、大会中の佐々木監督の余裕たっぷりのコメントを聞いていると、彼にとってもコンディション不良は折り込み済みだったようだ。「たとえコンディションが悪くて苦戦することになっても、それでもアジア相手なら2位以内には入れる」。佐々木監督は、そう思っていたのだろう。「多少、苦戦させた方がいい」とも思っていたのかもしれない。 こんな状態で、しかも、ピッチコンディションも悪い中で(残念ながら反日ブーイングはなかったが)、最強の北朝鮮と引き分けただけでオリンピック出場権を勝ち取ったのだから、たしかにそれくらいの実力差はあるのだろう。そういえば、佐々木監督は、大会前には「この大会はターンオーバーで行く」とも言っていた。だが、こちらの方は、初戦のタイとの試合での不甲斐ない戦いぶりを見てすっかり諦めてしまったようで、以後の試合はほぼ固定のメンバーで戦った。 これで、ワールドカップからオリンピック予選にかけての一連の活動を終えた女子代表。いったん解散してから、オリンピック本大会を目指しての新たなチーム作りが始まるのだが、本大会に向けての最大の課題はやはりバックアップ陣の充実だ。オリンピック本大会は、ワールドカップと違って中2日の日程での6連戦となるのだ。ターンオーバーができないようでは、金メダル獲得は難しいことだろう』


さて、引き分けに終わった先日のアウェイ・ウズベキスタン戦です。「阿部をスタメン起用したのはいいとして、長谷部のトップ下起用はどうなのか?」と考えていました。上の文章と同じく後藤さんの文章から見てみましょう。なるほど。アウェイだから守備的なメンバー構成で入ったということなんですね。後藤さんは 遠藤と 長谷部のボランチはいじるべきではないし、トップ下も本田の代わりに香川が入るということで、いまはいいと書かれています。


◉日本代表、阿部を入れたメンバー変更は空回り… 垣間見えたザッケローニのアウェー観(後藤健生
http://www.jsports.co.jp/press/column/article/N2011090702542402.html
『だが、阿部を入れてしっかり守ってゲームに入ろうというザッケローニ監督の考え方は、結局はアイディア倒れに終わった。最初から2列目に右から清武−香川−岡崎と並べてスタートさせるべきではなかったのか?「アウェーでは戦い方を変える」というのはヨーロッパの常識である。まして、イタリアなら、アウェーでの戦い方などはいちいち指示をしなくてもいいような、サッカーの常識なのだろう。そういうイタリア人監督のアイディアは、残念ながら日本の選手たちの文化との間にちょっとしたズレが生じた。 なんのために中盤の構成を変更したのか。やるなら、もっと具体的な指示を送って、「まず、守りから入って、しっかりゲームをコントロールした後で攻めに転ずる」という意識を徹底させる必要があったのだろう。あるいは、今の日本代表はかなり完成度の高いチームではあるが、たとえばこのウズベキスタン戦のようにアンカータイプの阿部を入れて戦うとか、3−4−3に切り替えて攻撃的に戦うとかを、試合によって、あるいは試合の途中でも柔軟に変更できるほどのチームではないのだ。これから、本大会までの2年半ほどの間にそういう作っていかなければならないだろう。 それらは、これからの課題なのであって、今の段階では遠藤と長谷部のボランチはいじるべきではないし、少なくとも本田圭佑が不在のときには香川をトップ下に置くなど、システムも選手構成もあまりいじらない方がいいのではないだろう。ザッケローニ監督就任以来、真剣勝負の試合(タイトルマッチ)をアウェーで戦うのはアジアカップ準々決勝のカタール戦以来2試合目である。その試合で、アウェーゲームに対するザッケローニ監督の意識のようなものが垣間見えた試合だった』
 

浅田さんは本田と、本田の代わりにトップ下に入った 柏木&長谷部との違いについて書かれています。「ゴールを背にプレイすることを苦にしない本田は、少々相手ディフェンスに寄せられても、しっかりとボールをキープできる」と。なるほど。いま、それが出来るのは 本田と香川だけってことですね。最後に、本田の不在が嘆かれる中で、恐らく唯一疑問を呈しておられる湯浅さんの文章を見ましょう。「今回の2試合で、本当に本田圭佑の不在が大きなマイナスになっていたのか?」と書かれていますよ。


◉本田不在の影響がウズベキスタン戦でよりクローズアップされた(浅田直樹)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110908-00000305-sportiva-socc
『すべてはコンディションの問題だからと、見過ごすことのできない点もある。それが、本田圭佑不在のトップ下だ。今年1月のアジアカップサウジアラビア戦で、柏木陽介が本田に代わってトップ下に入ったとき、こんなことを話していたのを思い出す。「ボールを受けて、振り向くのが怖かった」 つまり、浦和でボランチに入ることが多い柏木は、ゴールを背にしてパスを受けることが少ない。そのため、久しぶりにトップ下に入り、相手選手が背中に迫る恐怖を抱えてプレイしていたというのだ。それは、先ごろの北朝鮮戦でも変わらなかった。柏木は「(香川)真司のようにターンできればいいんだけど……」と、相手を背負ってプレイすることの難しさを、同様に口にしていた。北朝鮮戦での柏木のトップ下起用は、決してうまくいったとは言えない。だからこそ、ウズベキスタン戦では、長谷部がトップ下に起用されたのだろう。確かに、北朝鮮戦で長谷部が見せた突破力は、トップ下に置いても、十分威力を発揮してくれるかに思えた。ところが、事はそれほど簡単ではなかった。ザッケローニ監督は言う。「長谷部はゴールを背負ってプレイすることに慣れていなかった」 つまるところ、陥った現象は柏木のときと同じである。冒頭にも記した通り、長谷部が狭いエリアでパスを受けても、次の展開につながることはほとんどなかった。これこそが本田と、柏木や長谷部との決定的な違いである。昨年のワールドカップでは1トップまで務めたように、ゴールを背にプレイすることを苦にしない本田は、少々相手ディフェンスに寄せられても、しっかりとボールをキープできる。当然、周囲の味方は安心して次の狙いに移れるから、チャンスにもつながるわけだ。やはりと言うべきか、予想以上にと言うべきか、本田不在がチームに与える影響はかなり大きいと言わざるをえない』


湯浅さんは「抜群の組織プレーを展開した若武者、清武弘嗣の活躍によって、本田圭佑不在のネガティブな影響をまったく(!?)感じなかった」と書かれていますよ! たしかに、最初から 香川と清武のコンビにしてれば、相手のディフェンスラインをズタズタに出来そうですよね? もともと湯浅さんは才能があるにも関わらず、運動量の少ない選手に厳しいです。松井や宇佐美に対しても厳しく書かれています。うーん、もっと強化になる試合をしてほしいところですが、次はベトナム戦ですねw


◉WM予選_さて、本田圭佑の価値というテーマ・・(2011年9月7日、湯浅健二
http://www.yuasakenji-soccer.com/yuasa/html/topics_4.folder/11_j_vs_uzbek_honda.html
『要は、本田圭佑によって、仕掛けの流れが停滞することがあるという視点です。もちろん、シンプルなパスを回せば、前述したようなポジティブ効果も誘発できるけれど、そんなケースの多くで本田圭佑自身は、パスを出した後、その場で足を止めてしまうのですよ。要は、忠実なパス&ムーブを繰り出すことで次のスペースで再びパスを受けようとするのではなく、止まって足許パスを「待つ」ケースがとても多いということです。彼は、「オレさまがチャンスメイクするんだ・・オレにボールを預ければ、決定的なパスを供給できるんだから・・」ってなイメージなんだろうね。たしかに、オレさまがおっしゃるとおり、「そこ」から決定的なパスが出ることもあるし、危険な中距離シュートが出てくることもある。でも、その多くが、仕掛けの流れが遅くなってしまうというネガティブ現象の元凶になっているという現実もある。フ〜〜、難しいネ。以前のコラムでも書いたように、最後はザッケローニが、様々な「トレードオフ要素」の詳細な分析をベースに決断するわけだけれど、この2試合については、抜群の組織プレーを展開した若武者、清武弘嗣の活躍によって、本田圭佑不在のネガティブな影響をまったく(!?)」感じなかったという印象の方が強いよね。いや、逆に、清武弘嗣の加入によって、組織サッカーの(中盤での)機能性は、明らかにアップしたとも思う。どうだろうね・・。結局本田圭佑の場合、最終勝負プロセスに「専念」するワントップという役割が、彼の才能をもっとも効果的に活かしていく道なのかもしれないね』