ハノイの日本人

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SMAP と光GENJI『荒野のメガロポリス』

サイゾーがやってる『リアルサウンド』に気になる記事がありました。風営法によるクラブ規制に異議申し立てをされてきたライターの磯部涼さんが対談で登場し、2000年以降の日本の HIP HOP や EXILE について語られています。なぜ EXILE についても語られるのか? まあ、それがサイゾーだからなんでしょう。


磯部涼×中矢俊一郎 対談新連載「グローバルな音楽と、日本的パイセン文化はどう交わるか?」(リアルサウンド
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140815-00010001-realsound-ent
『磯部:きゃりーぱみゅぱみゅの武道館公演も親子連れが多かったことが印象的だったけど、EXILE然り、AKB48然り、人口が減少している日本で売り上げを延ばそうと思ったら、当然、親子をターゲットにするよね。しかも、EXPGの優秀な子はEXILEのステージに上げてもらえるわけでしょう。そんなことになったら、おじいちゃんおばあちゃんや親戚もチケットを買う。それに、HIROさんの目が行き届いているから、子供を預けるのも安心と。ジャニーズやハロプロやAKBにははみ出してしまうスワッグな奴らがいるけど、EXILEからはまだ決定的なやつが出てきていないのは、管理がしっかりしている証拠。』


磯部さんが思い切り EXILE を持ち上げてられてて驚きました。「管理」という言葉も肯定的に使われるれています。皮肉なんだろうか? 連載されるようなので今後も注目したいです。でも、ひとつだけツッコミ入れさせてくださいね。「親子をターゲットにする」について。ジャニーズでは90年代後半から既に行われていることですよ。他が10年以上経ってからキャッチアップしただけで。


1997年に KinKi Kids『硝子の少年』が 発売されたんです。その曲は母と娘に愛され 200万枚以上を売り上げました。その曲をプロデュースした山下達郎も作詞した松本隆も、ジャニーズの過去と現在を繋げることを意識したと証言しています。山下は郷ひろみやフォーリーズの筒美京平メロディを、松本は光GENJI の悲劇を、それぞれの想いを込めて作品にしています。そして、98年1月。SMAP夜空ノムコウ』。



恐らく、SMAP から作詞の依頼をされたスガシカオは悩み抜いたはずです。1日で書いたはジョークでしょう。カップリングの『リンゴジュース』も含めて過去のジャニーズ・ソングに着想を得たはずです。『リンゴジュース』は郷ひろみの『林檎殺人事件』。まあ、このとき郷さんはすでにバーニングの人ですけど。そして、『夜空ノムコウ』は光GENJI荒野のメガロポリス』でしょう。



松本隆光GENJI の『STAR LIGHT』から『笑ってよ』までの11枚のシングルで描かれたストーリーを『硝子の少年』1曲でやり直しています。詳しくは私が書いた電子書籍で読んでください。スガシカオがそこまで読み取ったかはわかりませんが、キンキ『硝子の少年』と光GENJIガラスの十代」との関連性に注目したことは間違いないでしょう。


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◉ 硝子の少年漂流記 1977-1997
 http://p.booklog.jp/book/66659
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荒野のメガロポリス』で描かれた廃墟。それはジャニーズ冬の時代とも重なっています。1990年2月発売のこの曲からジャニーズ冬の時代はスタートしました。それから3年。その冬を終わらせたのは SMAP の成功だったのです。「♪ あれから僕たちはなにかを信じて来れたかな?」。廃墟の中から立ち上がった SMAP。それが『夜空ノムコウ』で描かれたストーリーだと私は思います。