ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

大友良英『 MUSICS 』。

 

この本を最初に読めばよかったな。前から「音響系」について、どのように語られていたかを知りたかったんです。大友良英『 MUSICS 』は2002年から2007年に書かれた文章や語り下ろしが収録されているので、その辺りのことも登場しています。例えば、第4章「音響」、第7章「空間」というように。

 

MUSICS

MUSICS

 

 

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いわゆる音響と呼ばれていた音楽は、よくいわれるような匿名的であることだったり、弱音だとか、間が多いとか、そいうことが重要だったんではない、今はそう考えます。たしかにそれも大きかったけど、それ以上に、僕らのような、アカデミックな場所にいないバンドマンたちが、初めて空間を問題にしだした、そっちの方が重要だったんじゃないかと、少なくともオレは思います。

 

私は当時、レコード屋さんでバイトしてたので、有名なものは一応聴いたんですけど、今一つ魅力がわからなかった。こんな感じなのかと思っただけで。で大友さんのこの話を読んでなるほどと思いつつ、よくわからないこともあるんです。例えば、ジャズは空間を意識してなかったんでしょうか? 私はジャズはほとんど聴いていませんでしたが、ジャズ喫茶に行くと、空間を満たす音の感覚はあったと思うんです。だから、大友さんが空間を意識してなかったというのは、どういう意味で言われてるのか? 時間軸よりも響き方に焦点を当てるということなのか。

 

これはロック方面の話なんでしょうかね。HIPHOPやクラブミュージックにおいては、空間を意識したサウンドづくりがされていたでしょ? 音色とか、どういう響き方をさせるのかとか。ループする音をずっと聴いてても気持ちいいとか。違うのかな? 私自身は前にも書いたけど、1995年にロンドンで Dinosaur Jr. のライブで、曲も、時間軸もわからなくなるような体験をしています。音に沈められたような体験でした。それは彼らが意識的に音で空間を満たすことを目指していたからだとあとで知りました。それ以外に The Roots のライブでも空間を満たすサウンドを経験しています。また、音色の開拓についてはクラブミュージックの方がかなり先行してたのではないか?

 

 

でもまあ、この本には示唆的なことがいろいろ書かれているので、一つ一つ考えてみたいと思います。