ハノイの日本人

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アイドル楽曲派・夏期講習会。解説編

 

アイドル楽曲派・夏期講習会の3回目。前回、私が作ったリストを公開しました。今回はその曲を入れた理由を説明します。どこがいいかを書くわけです。その前に、リストを作るときに、どこで曲を探してくるかも少し書きます。前回書いたように、新曲やチャートのチェックはしてください。さらに、著名人のリストも参照する。これも有益です。まずはアイドルに楽曲を提供しているミュージシャンのリストを観てみましょう。Spotify にあったものです。

 



 

西寺郷太洋楽スーパースター列伝』

柴田聡子『#staytough selected by 柴田聡子』

曽我部恵一曽我部恵一による選曲集』

小西康陽小西康陽が選ぶシングル100枚』

MURO『diggin'ice 96』

 

 

まずは西寺郷太さんのリスト。DOMMUNEポッドキャストビルボードチャートの80年代のランキングから好きな楽曲を1年ずつ紹介する番組をされています。MTV 世代が選ぶスーパースターの曲って感じ。TBS の宇多丸さんのラジオに出演されて紹介した曲を、リスナーさんがリスト化したものでしょう。『アトロク 西寺郷太氏:洋楽スーパースター列伝』がありました。なぜ a-ha がいっぱい入ってるのかとか謎はありますが、名前くらい知っておいていい人たちばかりです。代表曲が紹介されています。

 

 

 

 

リストを探す場合、Spotify では「西寺郷太」と検索で入れて。次に「アーチスト」「曲」「リスト」というように何を調べたいかが問われます。なので「リスト」をクリックします。すると、上のようなリストも見つかるのです。

 

 

他にもアイドルに楽曲提供してる人のリストをあげました。いろんなジャンルの曲が入ったリストです。小西さんのは書籍か雑誌で紹介されたものをファンがリスト化したもの。MURO『diggin'ice 96』は私も持ってます。カセットのミックステープ。そこに収録された曲をファンがリスト化したんでしょう。もちろん、ミックステープのように、MUROさんの技が使われたものではありません。原曲が並べられています。

 

 

 

 

他にも選曲で有名な人たちがいます。ラジオ番組などで曲を紹介してる人たちです。

 

 

菊池成孔菊池成孔の粋な夜電波』

高橋芳朗『生活は踊る』

田中知之『MARUNOUCHI HOUSE Vol.10 by FPM』

橋本徹『Free Soul 500』

 

 

これだけ聴けば、かなり選曲の幅が広がりますね。どれかひとつと言われれば、まずは『Free Soul 500』です。90年代に大ヒットとなったコンピ『free soul』シリーズを手がけた橋本徹さんが総集編的に選曲したリストです。このシリーズは偉大です。

 

80年代って日本で R&B はマイナーなジャンルだった。まだ「ブラコン」って呼んでたかな。ブラック・コンテンポラリーの略です。半分はディスコのイメージ。ちょっと遊んでる人が聴く音楽。でも90年代に入って少ししたら、周囲のおしゃれな人が急に R&B の話をし出して。それが『free soul』のブームだった。入口として最適なリストだと思います。ここから10曲リストを作るのも楽しいです。

 

 

 

夏期講習リスト前半10曲。前回出したリストでは、8曲目に K-POP の曲を入れたんですけど、日本語訳 MV を観たら「あれすんな、これすんな」と彼女に言う、くだらない男の歌でした。外します。で代わりに入れた曲の紹介はミームトーキョーのところで書きます。

 

 

 

 

1曲目、9月28日に解散が決まっているリルネード『恋愛ちゅー』。いい曲ですよね。歌うのには技術を要する曲だけど。リルネードの代表曲と言っていいのかな。みんな大好き mekakushe の作詞・作曲。編曲は kabanagu。サウンドも素晴らしいですよね。最初は何種類の音がそこにあるかを感じてみてください。メインのシンセの音、ボーカル、ボーカルが消えた後に出てくるシンセの音(ボーカルがあった中央で鳴っている)、ドラムスティックの音、手拍子、ベース的な音、他にも小さく色々鳴ってますよね。まずどういう音で楽曲が構成されているか認識してください。

 

 

 

コロナ禍の時代を代表する曲、メトロミュー『アンチグラビティーズ』。作詞・作曲は sasakure.uk。どういう人なんでしょうね? 非常に気になる。

 

 

 

 

3〜5曲目は私のリストによく入れる人たちです。どれもいいサウンドですので、何度も聴いて素晴らしさを感じてください。Tomgggさんの曲は、これだけ音が鳴っていても、歌が埋没していない。食品まつりさんのリミックス曲は、完全な「新しい音像」曲。それぞれの楽器がどこで鳴っているか感じてください。そしてこれは、Perfume史上一番かっこいい曲なのでは?

 

 

 

K-POP の最新ヒット。NewJeans『Attention』。K-POPの特徴は、サウンドに艶かしさがあることです。私はテカってるとか、照りがあると表現してます。その質感を感じてください。

 

冨田ラボさんの曲は立体音響の曲でありながら温かみもある。CD で聴くと、部屋全体がサウンドで満たされて気持ちいです。海外のZ世代とかって奴らも、シティポップよりこの曲聴いて欲しいよ。

 

 

 

8曲目は最初に書いた K-POP 差し替えて入れた曲です。JIN KAWAGUCHI『IDEA』のウ山あまねリミックス。派手に暴れています。ノイジーでありながらもポップ。ウ山さんは、ゆっきゅんのリミックスやってたり、14曲目ミームトキョー『アニモア』が名曲すぎる、注目のミュージシャンです。

 

9曲目のピューパ!! 。グループの曲以外のメンバーが選曲したリストが上がってました。いい曲がたくさんあったので、私もそこから1曲もらいました。次 Portishead は久しぶりに聴きました。TRIP HOPなるジャンルが90年代にあったんです。興味があったらそのジャンルのリストも聴いてください。

 

 

 

 

後半1曲目。アンディー・ウォホールが手掛けたバナナのジャケットで有名なアルバムの1曲目。昔、関西テレビで深夜にマイナーな映画を毎週放送してたんです。その最初に、映画のあらすじが文字で紹介されてて、そのバックに名曲が流されていました。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのこの曲も流れてて、なんとなく難しいアルバムと思ってたけど、聴きやすい、いい曲じゃんとなりました。もっと刺激的な曲も入っています。聴いてください。 他にも XTC とかエヴリシング・バット・ザ・ガールとか、スミスとか、その番組で知りました。

 


 

 

 

ボーカルが詩羽に代わった水曜日のカンパネラです。楽曲を手がけるケンモチヒデフミは、xiangyu や、famme fatale も手がける売れっ子です。実は南波一海さんのインタビューを読むまで、私が好きな xiangyu 曲がケンモチさんだと知りませんでした。知らないでずっと聴いてた。数秒聴いただけで、リストに入れるをやってると、そういうことも起こるんです。

 

 

 

 

一柳隊。全然知らない。でもビルボードジャパンで毎週チャートチェックしてると「なんだ、これ?」って曲に出会うんです。ゲームアプリ『アサルトリリィ Last Bullet』に登場する一柳隊の曲だそうです。知らなくても楽曲は面白いじゃないですか。戦闘で傷ついたときの曲みたいです。チャートに登場する曲を全部把握するのでも大変ですよ。アニメ、ゲーム、Youtuber、VTuber など、全然知らない人気グループがたくさん登場します。それらの人たちも新しいアイドルとして、チェックするわけです。中には本当にすごい曲も潜んでいるので。

 

 

 

ミームトーキョー『アニモア』は先ほども紹介しました。リルネードもそうですが、でんぱ組.inc が所属するディアステージのアイドルです。でんぱ組.inc は大人数で難しいのはわかるけど、もう少しでいいからサウンドよくして欲しいな。今回のアルバム、楽曲的には揃ってたのに。

 

マイブラ。シュゲイザーって今でも妙に人気がありますよね。その代表的なグループです。大学時代によく聴きました。レーベルのオーナーが自著で、グループが言うことを聞かず、スタジオに2年以上閉じ籠って作業して、家を抵当に入れたくらいお金がかかったアルバムと言ってました。DTM という言葉もなかった1991年の作品。テープなのにめちゃめちゃ編集してるんですよ。何重にもサウンドが折り重なっています。

 

 

 

SHOW-GO『Silver』。ただただかっこいい。こういう曲がチャートに上がってこないのがおかしいんだよ。えっ? 現在は京都に住んでいるんですか。ライブみたい。

 

 

SAKA-SAMA『ライラック・ランデブー』。これも mekakushe曲。いいよねー。タワレコのサブスク、南波さんのアイドルインタビューもいいけど、作家さんのインタビューもやってほしい。mekakusheさん、ケンモチさんが登場するのを待っています。

 

 

 

音像と言っても、いろんなサウンド・デザインがあります。この曲は面白い。最初に分厚いベース中心のサウンドが鳴っていて、それと置き換わるようにスヌープのラップが入ってくる。

 

 

 

坂本慎太郎のライブチケットは今回も外れました。どんな音でライブやってるのかすごく気になる。でも一生観れない気がするな。lyrical school は・・・どうしよう。前に野音のライブ後に書いた文章が消えてしまって。もう一度書くか。

 

 

野音のライブで、メンバー5人のうち4人が卒業したんです。残った minanさんは活動を続け、新メンバーを募集しています。

 

lyrical school『常夏リターン』(2018年6月)を聴いて、すごく好きになった。もちろん、その前からグループのライブは配信などで観てました。でも興味を持ったのはこの曲から。いまから観ると、当時のラップはぜんぜん上手くないし、ラップを聴いてこなかったメンバーもいる。なのにすごく魅力的です。アルバム『BE KIND REWIND』まではすごく評価しました。最近の曲の方が、もっと本格的なラップをしてるのに、なぜもっと評価しない?と思われてるかもしれないです。

 

 

ここ数年はベスト10でも取り上げてこなかった。強度の高い曲に、文字数の多いライム。そういう強度の高い楽曲には、ラップ自体もかなり強くないといけない。背伸びの時期なんだろうと思っていました。待ってたんです。実力がつけば、またバランスの取れたアルバムを出すと。そのまま、いつの間にか2022年まできたように感じます。

 

 

でもこれだけは言いたいです。その路線が間違いだったわけではありません。野音にきてた新しいファンの人たちを観て、そう思いました。成功したのです。それは間違いありません。彼女らが2時間のライブをやり通しただけでなく、満員の観客に感動も与えていました。

 

一方で、もう少しサウンドの音量を上げられなかったのか? もちろんラップを潰すようなサウンドではダメですが。もっと盛り上げるサポートができたと思います。私が音像の話をするのは、ライブの音響とも関係しています。バックトラックの音量を上げても、音像を意識した音であれば、ボーカルを邪魔しないのです。一度、モーニング娘。のライブを体験してほしい。メンバー全員が上手いわけではないなかで、音響さんがどんなことをしているか。

 

アイドルって職業は「トゥルーマンショウ」的なエンタメじゃないから、アイドルを応援する・してもらうっていう関係は一種のロールプレイだと思う。みんなもうちょっとそこに正しく乗っかってほしいなって。精神的にヤバい状態になってるアイドルにカメラ向けて「撮れ高」みたいなこと言ってる時代は、おかしいですよね。

 

 

インタビューにある、キムヤスヒロ・プロデューサーのこの言葉は印象に残りました。どうなんでしょうね? 言われてることの半分はわかります。100% WACKが悪い。だけど「ロールプレイ」と思ったら面白くないですよね。予定調和的なアイドルはどこにでもあるし、そんなグループを作りたいのか? メンバーも心から喜べないでしょう。

 

リリスクは成功してましたよ。私としては、面白いと思えればライブに行くし、思えないなら無理に行きたくないです。もっとライブに行っとけばよかったと今は思ってますけど。でもまだリリスクは続くんだし、本当にまたメンバーが戻ってきてもいいと思います。またライブ行きます。