ハノイの日本人

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岡田ジャパンが戦い方を変えた理由。

元川悦子さんが選手に取材し、なぜ直前になって劇的な戦術変更が行われたかを検証されています。3回にわけて書かれるようですが、今回は カメルーン戦 の前に行われた ジンバブエ戦 までです。


岡田ジャパンが戦い方を変えた理由(元川悦子
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/2010/text/201008190003-spnavi.html
『永遠のライバル・韓国にわずか半年間で2度の完敗を喫したことは、あまりに衝撃が大きかった。そこでチームキャプテン川口能活は全員が同じ方向を見て戦うべきだと考え、ザースフェー入り直後の5月27日の夜、選手だけでミーティングを開いた。(中略)このミーティングに対して、川口らベテランは士気高揚だけを目的にしていた。しかし、「本来なら精神的な確認だけで良かったはず。戦術の話は監督が決めるべきことだから。それなのに、だんだん話が戦術的な方向にいった」(楢崎)そんな時、田中マルクス闘莉王が予想外の一言を口にした。「おれたちは弱いんだから、カッコつけている場合じゃない。やれることを泥臭くやるしかないんだ。ボールをつなげないんならつながなくたっていい。引いて守ったっていいんだ」この発言は、多くの選手たちの心を激しく揺さぶった』
イングランド戦を2日後に控えた翌28日のトレーニング。チームには目に見えた変化が表れた。「次の日から雰囲気もガラッと変わった。みんなそれまでも『頑張らなきゃいけない』と思っていたけど、どうやって頑張るべきかが明確になったのかもしれない」と闘莉王は言う。中村憲も「守備を固める戦い方への準備が始まった」と証言する。イングランド戦では、それまで主力だった中村俊輔と楢崎が外れ、阿部勇樹川島永嗣が入った。そしてゲームキャプテンも中澤佑二から長谷部に替わった。岡田監督はなりふり構わず突き進み始めたのだ』
カメルーン戦4日前のジンバブエとの練習試合では、本田圭佑がワントップに入った。右ワイドの松井大輔も練習ではほとんど試したことのない形で、メディアばかりでなく、多くの選手も驚いた。「圭佑のFWにはびっくりしました。実質的にはゼロトップみたいな感じだったけど。でも、あいつはあいつなりに走っていたし、勝負強いところがあった。自分はサイドに回ったんだし、そこで走るしかないと思って切り替えました」と岡崎は話すものの、やはり複雑な心境だったに違いない。FIFA(国際サッカー連盟)ランク110位のジンバブエと30分戦った主力組は結局、得点を奪えずに終わった。試合を見ていたオランダ人記者に「日本の得点力不足は深刻だね」と厳しい指摘を受けるほど、急造チームはあまり機能していなかった。本田は「手ごたえをつかめた」と明るく振る舞っていたが、「今日は参考にならない」と闘莉王は重苦しい表情で話すなど、選手たちには明らかに温度差があった。大きな方向転換をしてから2週間。日本代表は不穏な空気をぬぐい切れないまま、運命のカメルーン戦にぶつかっていくしかなかった』