ハノイの日本人

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田島貴男 ひとりソウルツアー2016 決定。

NHK『ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅲ』の第1回“「渋谷系」とDJカルチャー”をネット上で観ました。面白い部分もあれば「?」な部分があったんだけど、中でも宇多田ヒカル『Automatic』の解釈は謎でした。前にもそんなこと書いてる人がいましたけど、おっさんはどうしてあれを「怨みの歌」と言うんでしょうね? 今回も宮沢章夫がドヤ顔で「ブルースだ」って言ってました。R&B に理解がないんでしょうね。だって、十代女子が恋愛に浮かれてる歌だよ?



宇多田ヒカルがなぜあれだけ売れたか?」という理由はいろいろあると思うんですけど、90年代前半くらいまでブラックミュージックは市民権を得てなかったというのがあると思うんです。マニアックな音楽だった。もちろん、単発でスーパースターはいたわけですけど。特に HIPHOP を通過した後のいわゆる R&B ですよね。だから『Automatic』の大ヒットは日本で R&B が市民権を得たことの証明にもなってるんです。


80年代後半、高校生だった私のクラスメイトは、ヘビメタとかロックを聴く人はいても、R&B を聴く人はいませんでした。当時は「ブラコン(ブラック・コンテンポラリー)」と呼んでいた気がするな。マイケル・ジャクソンとかは R&B を超えた存在だからファンもいましたけど。HIPHOPだって、アディダスが再び人気になってることを知ってても、RUN DMC『Walk This Way』を聴いてる人は周りにはいませんでした。まあ、地方だからね。





ざっと日本で R&B が市民権を得るまでのヒット曲を書いてみました。ボビーブラウン『Don't Be Cruel』(1988)、ジャネットジャクソン『Rhythm Nation』(1989)、Mary J Blige『Real Love』(1992)、TLC『Ain't 2 Proud 2 Beg』(1992)、ラヴ・タンバリンズ『Cherish Our Love』(1993)、TLC『Waterfalls』(1994)、小沢健二 featuring スチャダラパー今夜はブギー・バック』(1994)、CHARA『Happy Toy』(1994)、ブッダブランド『人間発電所』(1996)、UA『情熱』(1996)、Speed『Body&Soul』(1996)、宇多田ヒカル『Automatic』(1998)。なんとなく伝わるかな?






80年代の最後になって、ボビーブラウンやジャネットジャクソンが人気になったり、日本からも CHARA のようなシンガーが登場しました。私が R&B 普及に一番大きな役割を果たしたと思うのは TLC ですね。R&B を聴く女子がぐっと増えて、やっとマニアックなジャンルじゃなくなった。私は1stアルバムが大好きだったんですけど、日本でブレイクしたのは2nd収録の『Waterfalls』からですよね。文系の女子も R&B を聴く時代が来た気がしました。それと NHKの番組にも登場したコンピ『free soul』の影響は当然でかいですよね。




TLC は聴いてもらったらわかるように、HIPHOPを通過した後のサウンドですよね。でも、日本では HIPHOPはまだまだマイナーなジャンルだった。なので、フォロワーもなかなか登場しませんでした。だから、1996年の Speedデビューには衝撃を受けました。実はもっとゴリゴリの R&B でデビューすべく、有名な海外HIPHOP系トラックメイカーに依頼してた曲あったと聞きます。日本にそれを受け入れる土壌は無く没になったそうですが。




でも、ミリオンを連発していた Speed は宇多田ヒカルが登場したのを境に、ぱったりと輝きを失ってしまうんですよね。それ以前の『All My True Love』までは(R&B ではないかもしれないけど)素晴らしかったのに。『Automatic』はアメリカの曲にも劣らない本格派の R&B がついに登場したって感じだったと思います。私は同じCDに収録されてた『time will tell』の方が好きだったな。そして、TLC の方も宇多田登場以後の日本でアルバム『FanMail』がミリオンを記録しています。一度、ちゃんとした渋谷系の文章を書こうと思います。





さて、渋谷系の人気バンドだったオリジナル・ラブが今年25周年を迎えました。おめでとうございます! 新曲は今週発売『ゴールデンタイム』だって! 6月の大阪は既に Sold Out ですが、ひとりソウルツアーが発表されました。京都は11月5日ですね。楽しみです。


田島貴男田島貴男 ひとりソウルツアー 2016」決定
http://originallove.com/news/2016/06/03/919
『11月05日(土) 京都 磔磔 開場17:00 開演18:00 一般発売 7月16日 問)京都磔磔 075-351-1321』