ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

松本隆の歌詞を使って山下達郎に口説かれた。

昨年3月に初めて山下達郎のライブを京都ロームシアターで観ました。それから1年経って2度目のライブです。今回は倉敷で観ました。本当は神戸国際会館で観たかったんですが、6月末まで待てません。でもいいタイミングで観れたな。


◉4月20日(木)9:10京都駅八条口⇒14:00倉敷駅北口(京阪バス、往復7000円)
        18:30ライブ開始、21:40ライブ終了
◉4月21日(金)9:49倉敷駅⇒10:51尾道駅(JR、1140円)


前回は40周年ツアーだったんです。それもあってなのか、普通のロックコンサートよりも音が小さく、繊細な表現を伝えるものになっていました。拍手も禁止。それに衝撃を受けたんですが、今回は前回よりも大きな音になっておりロック調の曲もかなりありました。メンバーのみなさんは凄腕揃いです。しかし、今回はちょっと抑え気味だったのかな? それでも見せ場がそれぞれにあり、そこでは爆発してましたね。スリリングな瞬間がいくつもありました。



実は達郎さん今回のツアーではコンディション調整で苦しんでおられるようです。そりゃそうでしょう。昨年のツアーはかなり異常なテンションでしたよ。あの声量、あの音域で3時間半も歌い続け、それを半年かけて66本もやってます。歌とは言え、アスリートと変わらない気がします。次の年にコンディションが落ちても無理ないことです。サッカーの話ですけど岡崎慎司香川真司も今季の最初は苦しんでいましたから。達郎さんは現在64歳ですよ。なのに今回も3時間も歌い続けました。


やりたいようにしかやらない人かも知れませんが、2時間であっても誰も怒らないと思います。まあ3時間でもあっと言う間でしたけどね。本当に凄いですよ。今回も盛りだくさん。楽しかったですね。大瀧詠一『ハンド・クラッピング・ルンバ』や『いかすぜ!この恋』、The Impressions『People get ready』なども曲の合間に挟み込まれてました。『風の回廊』や『Circus Town』かっこよかった。『LET'S DANCE BABY』で、隣の女性にクラッカーを頂いて、私も鳴らさせて頂きました。半数ほどのファンが鳴らしてて壮観でしたね。




ターナーの汽罐車』はロフトの40周年で昨年披露したアコースティック・セットで演奏されました。達郎さんがギターと歌。ベースの伊藤広規さん、キーボードの難波弘之さんの3人。これも素敵でした。そう言えば、私はロフトプラスワンで働いていたとき、イベントと関係なく難波さんに会っています。当時、私は藤井良樹さんのライター学校(私塾的なもの)に通ってました。


そこで吉留さんという音楽ライターの方が講師をされたんですが、そのテキストとして配られた吉留さん作の『ミュージック・マガジン』の記事に異議をとなえて、ちょっとしたケンカになってしまいました。吉留さんはその場で「権威であるマガジンの編集者がいいと言ったんだから君は間違ってる」というようなことを言ったんです。後でその対応を反省されたようで、仲直りの機会をつくられました。



そこで一緒に来られたのが難波さんでした。どこまでいい人なんだと驚きましたよw 私は難波さんはプログレの人だと思ってたので、昨年の達郎さんのライブで難波さんがおられたので驚きました。79年からずっとこの3人は一緒にやって来たそうです。凄い話だな。そうだ。そのとき、ダイヤモンド☆ユカイと三浦理恵子もそこに合流したんですよ。私が理恵子さんのファンだったから、吉留さんが会わせてくれたんでしょう。ぜんぜんうれしくなかったw 結婚を発表したのはそのひと月後くらいだったかな。吉留さんは元気だろうか?




さて、今回のライブではビッグ・サプライズがあったんです。まだ、ツアーは続いてるわけですが、もう知ってるファンも多いでしょう。近藤真彦ハイティーン・ブギ』をカヴァーされたんです。びっくりしました。そして、続いて木村拓哉主演ドラマでも使われた『Ride on time』。これはメッセージですよね。何を言いたいかわかりますよ!


昨年の SMAP解散で、私もスルーした事件がありました。それは小杉理宇造さんが悪役にされた件です。メリー副社長が表に出ないので、その代わりに小杉さんがコメントすることが何度かありました。SMAP4人のファンからしたら、メリー側の人間は全員敵ですから、結構辛いポジションだったのではないでしょうか?


達郎さんはテレビに出なくてもこうやってファンがライブに来てくれるので、うまくやって来れたと言われていました。そして、それを支えてくれたのは達郎さんが所属するスマイルカンパニーの社長でもある小杉さんだったはず。もちろん、私だって小杉さんが悪人だなんて思ってませんよ!


しかし『ハイティーン・ブギ』強烈だったな。音楽業界に不信感を持っている私には、この曲で達郎さんに口説かれてるような気がしましたw だって「未来を俺にくれ」とか「お前を倖せにしてやる」って歌ったんですよ。「私でよければ」って思うじゃないですかw 達郎さんにすべてを委ねてしまいたくもなります。


でもね、やっぱり私は観光客なんですよ。1年に1度達郎さんのライブを見せてもらうだけで幸せです。アイドルがいくら汚れた世界にあっても、私にとっては特別なんです。しばらく観るのは休もうかなとも考えてはいます。音楽にひたすら浸れる達郎さんのライブの方が楽しいです。でもアイドルはあらゆる音楽を観光して行く。東浩紀さんの『ゲンロン0 観光客の哲学』にもこんな記述がありました。「観光が、知識の拡張というより、むしろ想像力の拡張と不可分のものである」と。


ゲンロン0 観光客の哲学

ゲンロン0 観光客の哲学